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D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア

[Part2]ドリフトジャンキー!!ウノーマスが参戦するD1 LIGHTS!!ドクターヘリで搬送されて気がついた事、ドリフトをする為につくしを食べていた話

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D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア

前回の記事で、S14シルビアのマシンメイクについて色々教えてもらったが、本記事では彼の人物像や、体験談について書き留めようと思う。

まずは、クルマ造りの続きから。

ホイールの話が終わった頃に「ちなみに、こだわりがありまして」と、車両の底にもぐりながら説明してくれた。

スタビ加工

彼によると、これらの内容は、本マシンのセッティングにおいて、タイヤの性能を引き出す為に、非常に重要なポイントとも言えるそうだ。

D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア

D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア
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「テンションロッドって純正のやつ、動画とかで動くの見たことあります?走ってると、あの硬いゴムが、ものすごく動くんですよ。で、実はピロにすると、元々あれだけの量が動くんで、ものすごい引っ張られるんですね。だから、そこは固めなきゃいけないんですけど、よくニスモのパワーブレースとか付けるじゃないですか?あれの補強バーに、スタビが当たっちゃうんで、テンションロッドより前に位置しちゃうんですよね」

「そのままだと本末転倒(補強バーを移動しないと)なんで、代わりにテンションロッドブラケットのボルトが付く位置に補強を入れて、テンションロッドの動きを止めてるんですよ。で、切れ角アップしてるんで、今度はテンションロッドがスタビが当たるんですね、なので、スタビの湾曲したところを一部切ってショート化してます」

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何とも難しい話でマニアックだが、つまるところ、テンションロッドの動きを止める為、ブラケットの補強バーをテンションロッドのボルト側に移動しようとすると、スタビと干渉してしまう。

そして、切れ角アップしたタイヤが干渉しないように、スタビのショート加工がキモになってくるという話。また、テンションロッドについて、こんな事も教えてくれた。

「最近、流行りのロアアームとテンションロッドが一体型のやつあるじゃないですか?あれ入れると、逃げ場がなくなるんで、フロントのメンバーが割れよるですよ。なんで、テンションロッドはボルト留め式で、何かあったらボルトがずれる。いっぱい走ったらボルト緩む。むしろ緩んでくれてOK!!」

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持論の追求

ウノーマスは、S13で培ったノウハウをS14にもフィードバックさせている。ショート加工したスタビにはじまり、ナックル、リアリジット加工メンバーなどポイントを抑えた調整を行い、逆に気にならない所は、予算をかけないクルマ造りだ。

本マシンについても、アライメントキットをサーキットに持って行って、研究しまくったらしい。

そんなウノーマスに、S13とS14の走りの違いについて聞いてみた。

「角度つけて、ふっとばして、ケツ進入みたいな事をやろうとしたら、やっぱりS13ですね。軽いですし。でも、人についていくって速さの面になると、ちょっと弱いかな。造り方にもよるみたいなんですけどね」

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「S14は、リアの車高調の取付の向きがS13と違いすぎて、めちゃくちゃ難しいです。というかS14の方が単純な造りなんですけど(笑)S13って後ろから見たらハの字になってて、で、短い。それに対してS14って真っ直ぐで長いのでストレスフリーに縮んでくれるんですよ。それがたぶんトラクションにつながるんですかね」

あと、1年ほど本マシンを走らせたら、もっといいアイデアやノウハウができるかもと話していた。

意外な接点

ウノーマスは学生時代に、石川県に住んでおり、そこで現在のTPPのメンバーにドリフトを教えてもらったり、サーキットに連れて行ってもらっていたそうだ。その時に、以前に紹介した素人工房細谷商店、細ちん氏と出会ったという。

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取材中にいきなり、浦上さんのお誕生日会を始めるウノーマス

「シルビアの部品、全部いらんから持ってけやーって声かけてくれたのが、ちんさんで。ロールバーやら何やら全部くれたんですよ。そん時に初めて知り合ったんです。あの人、ああいう人なんで毎日走ってたんですよ、で、僕も一緒に走ってて。今では考えられないくらいムチャクチャでしたけどね(笑)ミサイルのようなクルマの扱いとか、あっ、今でもそうか(笑)」

大学卒業後、ダンロップの本社がある兵庫県に来ることになったが、それについても、こんなエピソードがあったそうだ。

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「そもそもタイヤが好きになったのも、ちんさんらのおかげっていうのがあって。あの人、僕らに色々なタイヤの事教えてくれて。このタイヤ食うとか、このパターンカッコええとかって。色んなタイヤを知るキッカケくれて、それでタイヤが好きになってしまって(笑)」

ドリフトにのめり込んでしまった為、大学での成績は悪かったそうだが、タイヤ好きがこうじて、ダンロップに受かってしまったそうだ。

「関西の企業ですし、好きや好きやって言いまくったら受かるんちゃうかと思って。という事で面接で、タイヤ毎日さわってて、臭いも、もう大好きですって言ったら、何と受かってしまったんです(笑)」

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そして、石川県でお世話になった人達と別れる事になったが、その後再開する事になる。

「すごい縁やなと思ったのが、最後のお別れの時に涙涙のお別れしたはずやのに、何故かドリドレでまた出会うっていう。あれ、気がついたら、また一緒にいるぞみたいな(笑)泣いて別れたのに、気まずいやんみたいな(笑)」

節約術が思わぬ結果に

彼と細ちん氏のエピソードは、記事にできないほど多く面白かった。そんなドリフト三昧な日々を送っていた為、常にクルマにかける費用に悩まされていたそうだ。

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「何やろ、ドリフトやる前からけっこうそういうのあって。小学生の時から自動販売機の下とか覗きまくってたんですけど(笑)。学生の頃からクラッシュよくしてたんで、昼も夜も働いて食べるものは、その辺に生えてるつくしと、スーパーの試食。大学の食堂から醤油もらって、家で煮て食べてて(笑)会社入って、たしかに豊かになりましたけど、基本的には服は買わない。女の子と飲み会あっても行かない(笑)」

冗談かと思っていたが、本当につくしを食べていたそうだ。しかし、究極と思われる節約術が思わぬ形で恩恵を受けることになる。

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「会社に勤めても、クルマでお金がかかるんで、会社の飲み会とか行けなかったんですよ。で、すみませんって断り続けてたら、僕の事気にしてくれてた上司が、もう、頼むから宴会に来いと。何でお前そんな金ないんやと。いやぁ、タイヤ代にお金掛かるんですよぉって言ったら、分かった!じゃあ、タイヤやるから宴会来いと(笑)ハハハ。ありがたい事に好意でやってもらってるんで、恩返しせなあかんなと(笑)」

訪れた危機

好きな事をして、好きな会社で仕事をする。これほど幸せな事はないであろう。しかし、そんな彼にもピンチが訪れる事になる。

D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア

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「元々クラッシュ癖はあったんですけど、廃車の数はすごくて数十台、ほぼ年1ペース。もちろん横転やら、何やらも経験済みで。ただ怪我してなかったんで、正直余裕かましてたんですよ」

「ある時、練習でサーキット行ってて、壁に真正面からぶつかって、シートベルトもそんなにきつくなかったのと、ヘルメットが脱げたみたいで、ハンドルに顔面が当って、ハンドルの形通りに頭蓋骨が割れちゃったんですよ。で、左目が動かなくなって、そのままヘリコプターで運ばれて」

「ドクターヘリよかったですよ(笑)すっごいカワイイ女の子が、付き添いでずっと手を握ってくれるんです。なんて幸せな時間なんだと(笑)」

よかったですよと言われても困るが、流石に目が動かない事と厳しいリハビリに参ったそうだ。

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今回はしっかりと安全対策に取り組んでいる

二度目の危機

「その後、TRADEさんでクルマ造らせてもらって、復活して。まぁ結構活躍もできるようになって、よし!これからや!って所で、ちょうど1年前のクリスマス。鈴鹿ツインで、団体走行してて前4台くらいスピンしてる所に、僕がもろに横から突っ込みまして。僕のクルマのドアと向こうのクルマの角が当って、ドアノブがハンドルの所にまで来て。もう、足が動かなかったんで、真っ白でしたね」

「その後、救急車に乗ったんですけど。僕、大会になるとスクール水着を着るっていう伝統芸をしておりまして。その日はたまたま夕方着替えようと思って、服の下にスク水着てなかったんですよ。もし着てたら(笑)で、救急車の中で、今から心電図図るので服脱がしますねって言われた時にスタッフが、ちょっと大丈夫!?って(笑)仕込んでないよね??って。ハハハ」

D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア

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一度目に続き大怪我を負い、二度目は医者から「君次第」と言われた。その時に悟った事があるそうだ。

「フルフェイスとベルトの大事さを知りました。たぶん、そん時どっちも緩んでたんです」

サーキット走行をする方は、顎ひもが緩んでいないか、しっかりと4点を締めてから走ってほしい。気持ちが高ぶっている事が多いので忘れないように。

ドリフトジャンキー

しかし、この男、これだけの経験をしたのにも関わらず、退院して3日後にコルセットを巻いたまま、不謹慎にもお見舞金でS13を買っている。

ドリフトジャンキーである。

そこまでのモチベーションは一体何なのか?もちろん好きというのもあると思うが。普通の人なら少し考えそうなものだが。

不純と思える行動の裏側には、何かあるのではないだろうか?

D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア

「北陸を離れて、兵庫に来る事になったんですけど、ちんさんら北陸の人たちには、むちゃくちゃお世話になってたんで、離れても僕頑張ってますよっていうのを伝えられたらなって気持ちがあって。大きい大会やメディアに出て、オレらが育てたウノが頑張っとるやんけって、ちんさんら北陸の人が喜んでくれたらええなって気持ちから頑張ってますね。もちろん、サポートしてくれてる人とかお世話になってる人の為にも」

北陸の面々、ダンロップ、チーム(THe★BReaST)、スポンサー、支えてくれる人。

期待を背負って、つくし男こと、ウノーマスがD1 LIGHTSに参戦する。

Written by: Maruyama
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