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D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア

[Part1] ドリフトジャンキー!!ウノーマスが参戦するD1 LIGHTS!!ダンロップの開発部門に所属しながら、個人でスポンサーを集めた話。TRADEシルビアに詰まったクルマ造りのノウハウを伝授!!

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D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア

ウノーマス。彼の名前を覚えておいてほしい。すでにご存知の方もいるかと思うが、ウノーマスは、ダンロップの開発者でありながら、ドリフトドライバー、パフォーマー、プライベーターという顔を持つ。

お馬鹿であり、ムチャクチャな反面、クルマ造りや仕事に関しては理論派で、ストイックだったりする。

そんな濃すぎる男が、今年はD1 LIGHTSに参戦するとの事で、兵庫にあるショップ、TRADEに参戦車両を見せてもらいに行ってきた。

D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア

TRADEと造ったシルビア

兵庫県西脇市にあるTRADEは販売、整備、カスタム、レストアを営んでいるショップ。今回ウノーマスが操るマシンは、代表の浦上さんと共同で仕上げたマシンになっている。

「TRADEさんとは、スポンサーになってもらう代わりに、店の展示カーとして、こういう機会(取材)にアピールしたり、イベントに出したいって事で、見た目に関するエアロとか塗装とかホイールとかは、TRADEさんにやってもらって、走るのに必要なチューニングは自分でという感じですね」

D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア

カスタムを担当した、浦上さんは仕上がりについて、こう語る。

「まぁ、カッコよくっていうのはもちろんなんですけど、去年とか今年もSEMAショー行ってきたんですよ。で、SEMAでディフューザーとターンバックル。あと、ダックテールとオーバーフェンダー付けるのすごい流行ってて、何とかシルビアでもそういうカッコいいカスタムできないかなと思って造ってみたんですけど。イメージ的には、フォーミュラーD走ってるようなドリ車?ちょっと、カフェレーサーチックになったんですけど、あんまり日本では走ってなさそうな感じにはなってきたのかなぁっとは思うんですけどね」

D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア
D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア
D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア
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ターンバックルとホイールナットは、TRADEのオリジナル商品だそうだ。というのも浦上さんは、ワイルドスピードのファンでドバイに行ったり、東南アジアに行くうちに、日本のスポーツカーが大人気なのを見て輸出業を始め、さっそくこうしたオリジナル商品を造り始めたそうだ。

TRADE(トレード)

D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア

スポンサー集め

大会に参戦するにあたり、ウノーマスはあくまでも個人として出場する。いくら職場がクルマ関係とはいえ、個人でサラリーマンとなると、費用の捻出はどうしているのだろうか?モータースポーツを楽しむ方なら気になるところであろう。

聞くと、ウノーマス自身が直接メーカーに電話をしたり、知り合いに頭をさげてスポンサーを集めたという。

D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア

D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア
D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア

「TRADEさんとは別で、Stance車高調TAKUMIモーターオイルgktechMOZE326POWERSSR(tanabe)さんとかにスポンサーいただいて。基本的には自分で突撃しました。もちろん元々知ってた人には頼み込んで。で、タイヤは自社の役員に頭を下げまくりいただきました(笑)」

これまでの活動がバックボーンとしてあったとはいえ、自分からアクションを起こしてスポンサーを集める姿勢は見習うべきだろう。

マシンスペック

TRADEシルビアについてマシンスペックを紹介したい。

■エンジン

TOMEIポンカム256°256°、メタルガスケット1.5mm、H断面コンロッド、ナプレック強化ロッカーアーム、強化メタル、HKS鍛造ピストン、スプリットファイア ダイレクトイグニッションコイル、サード700ccインジェクター、ニスモ燃料レギュレーター、サード燃料ポンプ。

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タービンはHKSのGTⅡタービンキットで、これらを金プロで制御。排気量は2045ccになっている。

「これ、GTⅡのタービンキットで売れてるやつみたいなんですけど、鋳マニのやつで。これは噂じゃ改良されてて割れないらしいんですよ。で、鋳マニですけど音もいいんで、気に入ってます。けっこうゲート音かっこいいんですよ。サイズ自体はそんなに大きくないんです。ポン付けのRSタービンから変えたんですけど、正直、下からのトルクは一緒。だからミニサーキットめちゃくちゃ走りやすいです」

「エンジンは元々、ピストンやらコンロッド入っている中古エンジンを買ってきてオーバーホールしました。消耗品のロッカー、ガスケット、メタルとかは、新品に変えてという感じです」

セッティングはお世話になっているという、石川県のウィザードにエンジンを送って、オーバーホールとセッティングをお願いしたそうだ。

D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア

馬力的にはどうなのだろうか?大会系というと、ここ最近はモンスターマシンが増えているが。

「どうでしょうね、ダイナパックなんで、係数の話あると思うんですけど。1.0やったら365馬力。ブーストは1.35です」

パワーに関しては、今のところ別に困ってないので満足してますとの事。

■吸排気、冷却系

トラストインタークーラー、不明真鍮3層ラジエター、アールズ24段オイルクーラー、HPI ステンエアクリ、ウィザード製ワンオフサクション、UNO手作りワンオフマフラー。

D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア

■駆動系

Z33 6速ミッション、TODAメタルシングルクラッチ、4.6ファイナル、クスコLSD(1.5way)

■外装

326power 3D☆starエアロキット、MOZEミサイルマン50+前後オーバーフェンダー。ボディカラーはレクサスホワイトでオールペン。

D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア

D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア
D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア
■足回り

STANCE GR+車高調、gktechタイロッドエンド、gktechテンションロッドに、ウノーマスオリジナルの足回りセット。

D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア

■ホイール

フロント、SSR GTX01 17×9.0J+15。リア、SSR GTX01 18×9.5J+15。

■タイヤ

フロント、ダンロップDIREZZA ZⅢ 235/40R17。リア、ダンロップDIREZZA ZⅢ 255/35R18。

D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア

S14のカスタム、チューニングについて

「正直、タイヤ屋をやってるんで、エンジンよりもずっと考えて造ってるのが足とボディ。なるべくタイヤを100%使えるように、ずっとやってきました」

元々S13乗りだったウノーマスは、今年初めてS14で参戦する事になったので、S13とS14の違いに苦戦したそうだ。“ああ見えて実は理論派”と呼ばれる彼だが、クルマ造りについてポイントを幾つか教えてもらった。

D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア

S14シルビアのボディについて

はじめに教えてくれたのが、S13とS14のメインフレームについて。

「S13はエンジンからメインフレーム2本がリアまでいってるんですけど、S14ってシフト下くらいで一旦切れてるんですよ。S13は助手席側のリアで一部切れてるんですけど、そこ繋ぐだけでS13ってめちゃくちゃトラクションかかるんです。だけどS14って途中で切れてる(一応あるようだが細い)んで、そこでヨレるんですよね。その代わりにサイドシルがものすごく固くて、そこから横に伝わって、またメインフレームが始まって(後部座席あたり)リアストラットに向かってるんです。そのリアのメインフレームと、ストラット周辺のパネルのプレスも新設計でむちゃくちゃいい感じに硬いんです。だから、それを補う為にコレです」

D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア

D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア
D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア

「まずは、シートを支えるところが強靭なので、スポット増しで固めて。で、こいつにサイドシルをパイプで繋げて、サイドシルと、ボディの底にあるメインフレームを繋げている設計になっています」

「結局、トラクションかけるっていったら、リア支点にクルマが回転しないといけない。つまりエンジンとミッションをリアで持ち上げないといけないんですね。その為に、この辺でしなってもらっては困るんですね。なので固めてみました」

もちろん、ドライバーの走り方にもよるかと思うが、さっそくこうした改善点を見つけたようだ。

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Z33ミッション、ファイナル

ボディに続き、Z33のミッションが搭載されているようだが、そもそも前提として載るものなのだろうか?もしかして、切った貼ったを繰り返して、無理やり載せ替えたのか気になる所である。

「初ですね僕も。載りましたね。RBのミッション載せ替えと一緒でアダプターがあるんですよ、載せ替えキット。シフトのところをちょっと加工せなあかんのですけど。あとペラと。あー、でもペラはあれです。S14だったらR35スカイラインが同じVQ35エンジンで、何とそのペラがポンと付くんです。今、RBのミッション高いんで、同じ予算で載せれちゃう。元々RB25ミッション載せてたんですけど、ギア比的に勝てなかったんで、勝つためにはクロスギアの6速かなという事で」

D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア

ファイナルが4.6になってるのにもこだわりがあるのか聞いてみた。

「えーと、3速、4速を使いたいんですよ。縦にこうシフトしたいんで(身振りで説明するウノーマス)、2速を使わず、3、4速を使うためにはファイナルもクロス。4.6ファイナルなんで、普通の4.3ファイナルの5速ミッションでいうところの2、3速と同じくらいです」

前後のホイールサイズの違い

ここまでの会話で、理論派と言われる理由が分かってきた。

スクール水着を着て大会の会場を暴れまわり、海外のメディアに“なんてクレイジーなやつ”と取り上げられた人物とは思えない。

そうと知れば、質問が止まらなくなった。おそらくクルマ造りにおいて、すべて何らかの理由ありきで造っているはず。

足元を見ると、フロントが17インチ、リアが18インチのホイールを履いているが、そこもやはり理由があるのだろうか?

D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア

「これは持論なんですけど、横向けてる時にフロントとリアのグリップをなるべく一緒にしたいんですよ。で、フロントっていうのは、進行方向にずっと向いているので、だいたいグリップ保てるんですけど、リアって横向いているんでグリップ減るんですね。という事はリアの方が太くないといけないんです。なので、だいたいF235とR255、F235とR265という組み合わせがバランス良くて」

ただ、ドリフトの場面によっては、グリップしてほしくない時や、アンダーが出てほしい時があり、S13はこのコントロールが楽だが、S14はずっとトラクションがかかる為に苦戦しているそうだ。

D1 LIGHTSにドリフトジャンキー、ウノーマスが参戦!!TRADEのS14シルビア

次回は、アームについてのこだわりポイントと、大怪我をしてドクターヘリで搬入された話を中心にお伝えします。
Written by: Maruyama
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