
「34が燃えた」との一報に、送られてきた写真を見て、あまりにも衝撃的でなまめかしさまで覚えた記憶がある。
一体何があったのか?これはER34なのか?いったい何が写っているのか?
状況を理解するまで時間が必要だった。
人生には時として望まぬアクシデントが起こるのは確かだ。だが、車に全てを捧げた20代の若者にとってあまりにも酷な話。
今回は、すべてを失った男が復活するまでの話をしたいと思う。
事件前
翼氏がシーンに頭角を現したのは2019年のドリドレ。

オオクボファクトリーの4DOORGT-R仕様にホリンジャーまで入れて、周囲にもこれからという期待を集めていた。
ストリートシックでもカメラマンがしきりにシャッターを切っていたのを覚えている。当時、視線を集める成長株といった感じだった。
そんな折、翼氏は職場の移転などの事情から手持ちの部品やER34など自分の財産と呼べる物すべてを実家の倉庫に移動させた。
事件はその直後に起こってしまう。