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シルビアGTカー、2.2L、シーケンシャル、レースパック

[後編] 世界に1つのエアロ、ブレーキ!?限りなくGTカーに近いシルビアS15は、ドリフト仕様が多いNISSANカスタム車に一石を投じるか!?ボアアップ、シーケンシャル、S13ヘッド、レースパック他

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シルビアGTカー、2.2L、シーケンシャル、レースパック
前回の記事で、世界に一つのエアロと、S13ヘッドの腰下S15というエンジンについて説明したが、本日は室内と足元中心に迫ってみたい。

Tさんの徹底したこだわりは、エアロとエンジンの説明で伝わっているかと思うが、その他のセクションについてはどうなのだろうか?

シーケンシャル

暫定ではあるが、ブースト1.5キロで625馬力。もっと上を狙えるハイパワーエンジンとの事だが、当然ミッション、クラッチの見直しが必要になってくるだろう。

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「HKSのシーケンシャルドグミッションが入ってます。強化シャフト仕様になってます。6速です」

シーケンシャルを入れている車両は、発進の際、ガタガタとぎこちない動きを見ることがあるが、本マシンは見た感じスムーズだった。何か秘訣があるのだろうか?

「カーボンクラッチなんで、多少半クラ扱いやすいので」と、ATSのトリプルは比較的扱いやすいそうだ。

また、シーケンシャルなのでクラッチを踏まなくてよいが、アタック時以外はギアを痛めることを考慮してか、クラッチを踏んでいる。

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車高調、アーム

車高調は、アラゴスタの特注で、富士というステージとワイドボディ、タイヤに合わせて、減衰とバネレートを上げている。バネはアラゴスタのラーナスプリング。

「どっちかって言うと、本当に富士でだけで気持ちいい感じです。街乗りだと、たぶん荷重かけられない。峠でも飛ばせないですね」

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アーム類は、イケアですべて揃えたらしいが、何か理由があるのだろうか?

「フルでイケア。イケアフォーミュラーさんのアームに全部変わっています。好きというか、車高下げた状態でグリップ感も欲しという事で、選んだ当時、調整もできてロールセンターアジャスターがついてるのがイケアさんだったんで、じゃあイケアさんにしようかなって感じで、統一した感じですね」

室内

ロールケージは、サイドバーを含む9点式。フルバケはブリッドのLowMaxマキシスⅢ、助手席はジーグⅢ。

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インパネはレーシーな雰囲気を醸し出す、ワンオフパネルにサーキットカウンター、AF計、メーターのコントロールユニットとスイッチ類が設置されている。

レースパック

GTカー好きと言えば、やはりレースパックは魅力的だろう。しかし見た目のパフォーマンスだけでなく、本マシンには必要なパーツと言えるようだ。

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取り付けが大変というイメージがあるが、本人に聞くと「意外とそうでもないですね」とDIYで取り付けたそうだ。さすがにカプラーオンではすまないが、英語の説明書を翻訳サイトで訳してみたり、何となくで進めて取り付けたそうだ。

実用的な物を好むTさんだが、レースパックはどのように役立っているのだろうか?

「けっこう役立ちますね。視線移動も少なくて済みますし、あとは個人的にシフトランプが内蔵されているので。やっぱ500馬力超えてくると、低いギヤだと回転スピード早くて、ろくに見てらんないんで、光ったら入れるみたいな感じで」

なるほどな理由である。またシーケンシャルの「今何速だっけ?」という疑問も、ギアポジションが表示されるため、役立っているそうだ。

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レースパックがありながら、アペックスのアナログメーターが並んでいるのは、レースパックとの誤差を調べるためにつけているという。

聞くと、多少ずれがあったそうだ。しかし、水温にしてもセンサーの取り付け位置で多少の誤差は出るだろう。今後はアナログメーターを外してレースパックを基準にするそうだ。

レースパックのモードについては、何か好みの設定にしてあるのだろうか?

「だいたいこのまま使ってますね。水温、油圧、油圧、ブースト、スピード、現在のギア、タコメーターは出るようになってます」

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ブレーキバランサー

助手席には、チューニングカーであまり見ることがないブレーキバランサーがついていた。セッティングはどのように取っているのだろうか?

「走って、温度計でローターとかの温度測ってって感じですね。一度セッティング決まっちゃえば、そんなに動かすようなもんじゃないんで、ここんとこはずっと固定のままですけど」

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世界に1つのキャリパー

この日は、街乗り用ホイールの納品待ちという事で、借り物のホイールを履いてた。富士を走る時はSタイヤを履くが、その際はF265/35/18、R295/30/18を履いている。

足元の話しをしている際に、Tさんから面白い話しをしてもらった。

「見てもらえたら嬉しいのが、ブレーキですかね。APはたぶんシルビアでは、あんまり入れてる人いないと思うんですよ。ダストブーツない、ダストシールのみのレーシングキャリパーです」

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「で、リアは世界に1セット。はい(笑)あの、あえてモノじゃない。モノにしちゃうとシャシーの方が負けちゃって、使いづらくなっちゃうよって事で。ブレーキって効きそのものよりもコントロール性が重要じゃないですか、で、あえてシルビアぐらいの車重で、これくらいのシャシーだったら、これの方が使いやすいんじゃないかっていう事で。フロントはそれにしようって決まって、リアどうしようってなった時に、本国のAP RACINGに連絡したら、WRCで使う予定だったキャリパーが、1セットあるよって事でそれを購入しました」

シャシーまで考えるストリートカー、そしてフロントは市販されているが、リアに関しては、世界に1セットのキャリパーと、チューニングカーとしては珍しい内容になっている。

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PFCのパッドとローター

パッドとローターは、PFCというメーカーで、Tさんからこのように紹介してもらった。

「フォーミュラー日本、装着率100%メーカーです。ようはレースカーで有名っていう。もうミーハーなので(笑)」

と、レース界では有名だが、チューニング界ではレアパーツと言えそうだ。これらのセットは、どのような効果を生むのだろうか?想像がつかない。

「扱いやすいです。元々33GTRのブレンボを前後入れてたんですけど、それでもすごい止まると思ってて、こんな大きなブレーキにしてどうなっちゃうんだろうと思ったら、使いやすさは意外と変わらないです。で、しっかりと止まってくれるって感じで」

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扱いやすく、しっかり止まる。これ以上求める事はなさそうである。後は好みの世界といった所だろうか。

ジレンマ

フルノーマルからここまで仕上げたTさん。GTカーが好きで走ることも好きなようだが、マシン造りと走りに、少しジレンマを感じている話しをしてくれた。

「結局、ボディを造りました。そうすると、ホイールサイズも変わるし、幅も変わる。ジオメトリー変わるんで、サスペンションの仕様変更します。効果の大きいエアロとか、タイヤも太くなって抵抗(ダウンフォース)が大きくなったんで、ストレートスピード伸びなくなったから、じゃあエンジンもうちょっとパワーアップしようかって、やってるうちに満足にまだアタックできてないんですね」

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とは言え、この仕様に仕上げるのに時間がかかるのは仕方ないだろう「実はクルマが帰ってきたばかり。これからはセッティングを煮詰めていく」と、反面これから楽しそうな様子でもあった。

コンセプト

クルマに対する想いやそのキッカケは、本当に人それぞれだと思う。また、何となく好きというニュアンスから、Tさんのように合理的で明確な理由を元にクルマ造り行うオーナーもいる。

印象値であるが、ドリフト仕様が多いシルビアにおいて、タイムを出す為のクルマ造りというだけではなく、GTカーというコンセプトを追求した本マシンは、とても新鮮に見えた。

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GTカーに限りなく近いストリートカーという表現が相応しいのだろうか。

「そうですね、憧れがやっぱり強かったので。簡単に言うと。GTカーに憧れてる少年みたいな、変なやつが造ったクルマです」

Written by: Maruyama
この記事のMedia crew
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