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163racingのAE86、s13、s15、er34

個性強きメンバーが集う163racing、山々に囲まれた街で暮らす、彼らのライフスタイル

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163racingのライフスタイル
長野県といえば、広大な土地と山々に囲まれ、カスタムカー好きには楽園と呼べる環境が整っており、移住したい都道府県ランキングで長年一位になっている。

本日は、そんな長野を拠点に活動している163racingを紹介したい。間違える人が多いというが、正式な読み方は“イチロクサン”ではなく“ヒロミレーシング”。

163racingのライフスタイル

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特色なき特色

163racingは、主にドリフト主体の走る系の車種が多く、県内と県外組に別れ約20台程度のチーム。

「ドリフトメインで走ってるやつが多いんですけど、中には置き系もいたり、グリップもいたり、オールジャンルではありますね。車種的にはスポーツカーメインです」

その言葉の通り、インプレッサでドリフトするメンバーがいたり、スタンス系の大会を賑わすメンバーがいたり、三者三様な様子が、ある意味チームの特色となっているようだ。

所属メンバー各々が大会に出たり、雑誌の表紙を飾ったり。クルマ造りや走りに積極的なチームとも言える。

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世の中のサイクルから外れた場所

作業場に着くと、周辺はトンビが鳴く広々とした雰囲気で、風通りの良いプレハブのような建物が建てられており、中には工具やタイヤが乱雑に置かれている。彼らはここでクルマ造りを行っていたり、時には徒然なるままにメンバーと穏やかな時間を過ごす。

「今日はおとなしいですけど、自分、本当は面白いんですよ。普段は誰でもひっぱたくやつです」とスパイスの聞いた言葉を投げかけてくるリーダーのHさん。

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気ままなクルマ遊び

チームについて話す。基本的には走り中心のチームだが、ミーティングを主催したり、ゆるく楽しく、気ままに活動してる。都会と違って、周辺に山道はたくさんあるし、大きな駐車場もあるし、車遊びには事欠かないよう。

「特色はみんな違う車種、個性が濃すぎて、各々の感性でやってる。まとまりがないのも特色かも。ぶっちゃっけ、みんな違うから、好き嫌いはたぶんあるんすけど、なんでか、オレらチームだからか。分かんないんですけど、違うことやってても、それもいいなっみたいな」

「みんなで誰かの車を造るんですよ。みんなで一台ずつ造るんで、ああでもねぇ、こおでもねぇって造るんで、出来上がってダサいって感じはないです。自分達の話し合った結果がこうなんで。出来上がった瞬間は達成感で満ち溢れてます」

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メンバーには「われわれ女性としてみとめてないですけど」という先日紹介したYさんもいる。

サーキット活動としては、163racing特設のヒートがあるという、スポーツランド山梨での走行会や本庄、間瀬サーキットに行くことが多い。

それにしても、友達の家に来たような、どことなく懐かしく穏やかな気持ちになる事ができる。夜には虫の鳴き声に囲まれてそうな場所だ。

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貼り付けの上にオーバーフェンダー

リーダーのs15シルビアをマシンチェックしてみた。彼のマシンは見るからにワイド。オリジンのフェンダーF40mm、R50mmの上に、G-designのオーバーフェンダーをセット。最大で130mmワイドになっている。このセットに9.5j+12のホイールを70mmのワイドトレッドスペーサーでツラまで引き出している。

フロントバンパーはGaragemak、ボンネットはStage21、リアバンパーは純正バンパーに汎用ディフューザー、リアウイングはオリジンのイーグルウイングを後方にオフセットして取付。

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ナックルはGPスポーツ、NISMOのロアアーム、その他アーム関係は、SKIDレーシングで統一したフルアームになっている。キャンバーはフロント7度、リア0と前に進めるためのドリフト仕様。

エンジンは、ブローした際に予算の関係で14タービンのブーストアップ仕様となっている。

「最近のトレンドはシャコタカ。脱シャコタン。昔は着地してました。フレームぎたぎたにして喜んでましたけど、年を経てだんだん上がってきて。ドリフトした時に足動かないんで。シャコタンで足動くようにしてる人もいますけど、その労力を考えると上げるほうが楽って境地に」

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彼らの街でよくある事

話していて都会と違う事が多々ある。その中でも印象的な事がいくつかあった。街中でカスタムカーとすれ違うと、都内では「カスタムしてるなぁ」と見る程度だが、長野あたりでは「どこどこの誰々」と分かってしまうらしい。

少し街中を走ると、対向車線からカスタムカーが来る。そうするとお互いに挨拶のサインを送る。そんな仲間意識が全国的に芽生えれば、もっと楽しいシーンが生まれるのではないだろうか。

163racingのAE86、s13、s15、er34

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ストリートシックなAE86

取材の為に頑張ってくれたようだが、間に合わず製作途中になったYさんのAE86。これがなかなかストリートシックな車両だった。

エンジンは、101の腰下に92のヘッド。ピストンが83πのオーバーサイズピストン。カムがIN側304°、EX側288°に4スロ。これらをフリーダムコンピューターでフルコン制御。190馬力ほど出ている。

「ロールバーは11点入ってるんですけど、まぁ気休めで。自分、溶接点増しで満足してますね。あえてタワーバーつけないで、これだけでクイって頭入ってくれるんで。スポッターとかって結構いい値段するんで、自分は溶接を流し込む感じで、点付けしてあげるだけでかなり剛性は上がりますね。ドア縁のまわりとかも全部やってて」

室内はお気に入りだという、GOODGUN RACINGのフルバケが設置されている程度で、至ってシンプルだ。

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アルテッツァの6速

ミッションはアルテッツァの6速をインストール。専門のキットが出ているらしい。

「間瀬サーキットにギア比を完全に合わせてちゃってる感じですね。ファイナルは4.7です。あとは軽量化ですね。パワーがパワーなんで。ガラスを取っ払ってアクリル打ち込んで。今回間に合わなくて、むき出しですけど。たぶん今、人が乗って900キロないと思うんで軽量化でカバーですね」

ちなみにパワステもエアコンも取った、完全にサーキット仕様になっている。

足はフロントがビルシュタイン。ナックルがテックアート。ロアアームは40mm延長。キャンバーはステージに合わせて都度変更している。

163racingのAE86、s13、s15、er34

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軽さと高回転型エンジン

マフラーは細身なワンオフの60π。AE86にはよく見られるがこんな理由がある。

「ちょっと前まで太いの付いてたんですけど、どうしてもエンジンの特性的に下がほしくて、エンジンが上しか使えないんで。ちょっとでも下出すために排気でカバーした感じですね。エンジンの特性はかなり上です。5000上からしか使えないんで。ピークパワーが8000、9000で出る感じです」

少し乗せてもらったが伸びだすと、どこまでも伸びそうな力強さがあり、軽量化のせいか190馬力とは思えない。ターボ車のように、いつのまにか速度が出ていた感覚とは異なり、1回転上がる毎に、エンジンの鼓動が体に伝わるようだった。

ハッチのアクリルもそうだが、ワイヤータックも途中なそうで完成が楽しみだ。

163racingのAE86、s13、s15、er34

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メンバーが走るルート

地元を中心に、クルマ好き繋がりで集まった163racingのメンバーだが、仕事の関係で県外に出ていくメンバーがいたり、仕事の都合でなかなか会えないメンバーもいたり、それぞれの人生歩んでいるという。

どんなに一緒にいたくても、人生には思いがけず分かれ道はできてしまう。でも、そんな時こそ笑顔で「忘れ物はない?」と送り出してあげる。そんな関係こそ本当のチームではないだろうか。

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「会えなくても、久々に会ってもこんな感じになるんで。別にそこまで、ね、あの、久々だから、どう接していいのかって感じはないですね。たまに戻ってきても。昨日も一緒にいたじゃんって勢いで。基本もう、そういうギクシャクが嫌いなチームなんで。仲良く。そっちのほうが走る時も楽だし。仲間意識は強いです」

伝える者と継ぐ者

彼らのスタンスは間口は広く、多くの人と仲良くしたいというオープンなスタイルで、普段お世話になっているショップや関係者に、恩返しをしたいという理由から大会で成績も残したいと語っていた。

老婆心なのかもしれないが、彼らのこうした熱い想いを受けとめて、サポートしてくれる人がいてほしいと願う。若い世代がのびのびと、自由に、時には生意気なやつらがいてもいい。それもまた真実の姿、シーンであると思う。

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若い世代を枠にはめ込んではいけない。彼らが最短距離を進んで、その先に。遥か先に行けるように道を示す。それが先を走る者たちの責務であろう。

Written by: Maruyama
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