しばらくデモカーを見ていなかったので、イベントシーズンに向けて気になる所を中心にメンテナンスから始めます。
180sxも10万キロを超え「ここを直せば、違う所が壊れる」故障ループにハマっていますが、治すついでにカスタムすればテンションは維持できます。
ハブリングとワイトレ
かねてから高速走行の際、ある一定の速度からハンドルにガタが出て安定感に欠けていた為、ハブリングとワイトレを購入してみます。
リア用のワイトレは、以前の記事でも使ったKicksの30mmを購入。ハブリングも同じメーカーで揃えます。これはrd baseの金本さんにオススメしてもらったのですが、ハブリングを付けるならツバ付きという事で、こちらを選択します。
ホイールにはこのようにセットされます。
リアは現状20mmと8mmのスペーサーのセットになっています。スペーサーを外すとサビが酷いのでワイヤーブラシで落として、ハブリングをプラハンで叩いて装着します。
「ハブリングなんて」と思いがちですが、ホイールを装着する時にすでに違っているのが分かります。これはハブリングによって“センター出し”が出来ている為、ナットもスムーズに締められます。
元々、ナットは水平に締まっていくものですが、センターが出ていないと、ナットを締める際に負荷がかかるそうなのでハブリングの効果は大きいのではないでしょうか。
リジットカラー
ハブリングを付け終わり、リフトをお借りして作業を進めます。
メンバーのブッシュも経年劣化により、縮んでしまい隙間が出来てしまいました。走行していても少しガタツキ音が出てきています。
リジット化も考えましたが、メンバーを降ろすとなると大変なのと、純正のゴムブッシュがまだ残っている場合はカラーを挟み込む事で乗り心地も変わらず、操作性が上がるとの事で、その手軽さから切り込みが入ったリジットカラーを選びます。
作業はメンバーを下げる形で隙間を作り、上部は切り込みのあるカラーを差し込みます。下部はカラーを挟むだけです。
商品も1万円前後で購入でき操作性が上がるので、費用対効果は大きいと思います。難点を上げるとすればメンバーの位置が少し下がるぐらいではないでしょうか?
作業中に気が付きましたが、デフから大量にオイルが吹いた痕跡が見られます。これについては後日記事にしたいと思いますが、とりあえず75W-140の硬めのオイルで様子を見ます。
ブレーキオイル
サイドブレーキのランプが消えなかったので、ブレーキフルードをチェックした所、かなり減っています。どこかで漏れてるか探ってみましたが漏れた形跡はなかった為、フルードを足しておきます。
どこかのタイミングでブレーキ周りもリフレッシュしようと思います。
フルードを足すと、サイドブレーキのランプは消えるようになりました。
これでアライメントを取って、メンテンナンス終了です。メンテナンスを地味と思いがちですが、高速走行すると驚くほど真っ直ぐ走り、安定感も格段に上がりました。
ついついカスタムやチューニングを優先してしまうと思いますが、メンテナンスも並行して行わないといけない良い例ではないでしょうか?
過走行な車両に、このメニューはおすすめのメンテナンスコースです。
オリジナルマフラー
さて、作業はオリジナルマフラーの試作に移ります。開発に関わってくれるのはキャリア30年の小菅さんです。
現在、装着しているマフラーはおそらくタイコ内部のウールがなくなってきているのか、かなり音量が大きくなってきました。また、車高は低くありませんが底をかなり擦っていて、マフラーを吊っているステーも折れてしまっています。
まずはタイコをカットしてもらい、切断面を研磨します。
次にパイプの太さを検討します、80φか70φの2択で検討し出口部分のクリアランス、角度、出幅を入念に打ち合わせします。
コンセプト
コンセプトは“扱いやすさ”。砲弾、カチ上げ、斜め出し。形状、性能、音量を含めれば様々なマフラーが存在しますが、一ユーザーとして扱いやすさを表現したいと思います。
どんな服にも合うジーンズのように、どのような仕様にでも合うマフラーを目指したいと思います。
このコンセプトに従い、出口を交換するタイプでバンド留めにし、且つテールエンドはスライドできるようにして、出幅を調整できるようなマフラーを想定します。
Y股
次に1本のパイプから2本に分岐するY股を作ります。曲げたパイプを合わせ溶接し先端をカットします。
その後、カットした断面をプレス機で広げてY股の根本のパイプに合うように調整していきます。
大量生産とは違い、作業はゲージで測りながら何度も調整を繰り返します。手際の良さを見ていると、まさに職人芸です。日本にこうした技術をお持ちの方も少なくなってきたのではないでしょうか。小菅さんは現役でマフラー制作を専門とされているので心強いです。
Y股からテールエンドまでの連結パイプが出来て、いよいよ出口をどうするか考えます。
テールエンド
出口のデザインは、ほんのりと角度を付けて上げます。これについては“派手さと優雅さ”を持たせたかった為の選択です。
角度については、上げた時、下げた時にどのように見えるか何度も見ながらイメージに近づけていきます。
主観になりますが、いわゆるカチ上げマフラーは、出幅と角度が極端な物が多く、リアビューにおいてはマフラーが視線をすべて持っていってしまうケースが多かったように思います。
これをクリーンなカスタムカー、バイナルをまとった競技車両などにも自然に溶け込むようなデザインを目指します。
試作品の完成
角度が決まったので、マフラーを吊るステーを造ってもらい、溶接をしてもらって今回は終了です。
まだまだ課題はありますが今後は出口部分をスライドできるようにして、出幅を自分好みに調整できるような構造にしたいと思います。
商品化してアームロッカーズのブランドから発売されるかもしれませんので、気になる方は問い合わせてみてください。
色合わせ
最後に、室内で主張しまくっていたクイックリリースをブラックに変えました。少し落ち着きましたがハンドルのステッチが気になるようになりました。
トータルリペアカラーにてフロッキー塗装していただいた内装に合わせて、もっと色を抑えくなります。
ストリートシックに登場してくれた方、読者の方には遠く及びませんが、少しづつカスタム、チューニングを楽しんでいけたらと思います。