フェンダリストへ向けてのデモカー製作が続きます。今回は前回の記事で外した内装一式をフロッキー塗装に挑戦してみます。
トータルリペアカラー
作業を依頼するのは富山の小矢部市にあるトータルリペアカラー。
トータルリペアカラーは、基本的に店舗を構えず郵送での依頼で作業を行うスタイル。クルマを持ち込んで脱着は一切できないが、今回のように、パーツを外した上での持ち込みは対応してくれる。取り扱う主な作業はホイールのリバレル、リペア、フロッキー・結晶塗装。
ダッシュボード
個人的にはビス跡の穴や接着剤、色あせなどあるダッシュボードがどこまで綺麗になるか疑問であったが、オーナーの河原さんに見せた所、全然問題ないと言った様子だった。
まずはダッシュボードの天辺にあるビス跡の穴から取りかかる。
「ビス打ちだったんで、周辺が盛り上がるんですよね。そこの盛り上がった部分を落として穴だけにしていきます」
と、オービタルサンダーで大胆に削っていく。
そして、アペックスのECVを無理やり接着剤やビスで止めていた助手席側も、同じく削っていく。
下地造り
穴周辺の盛り上がりを削ったら、穴に特殊な材料を使って穴を埋めます。
河原さん曰く「もっとすごいヒビ割れなども直せますよ」との事。旧車などで見る剥がれや、長いヒビ割れがある内装の依頼も多いのだろう。どうしよう?といった素振りもなく、会話をしながら手際よく作業が進む。
更に番手を上げて塗装と同じように面出しを行い、脱脂をしていきます。
「今までよりは番手を上げて削ってるんですけど、植毛に関してはペーパー目が出ないので、そこそこにしてますね」
脱脂については、通常の脱脂剤だと歪みや割れ、ひどい場合は溶けてしまったりする為、専用の脱脂剤を使って脱脂をします。
マスキング
マスキングに関しては、どこまで塗るかはお任せになる。
今回は写真のように、見えない場所は塗らないが塗りたければ事前に伝えておくと良いだろう。
ただ、フロッキー塗装の料金は面積。つまり塗布する広さより変わってくる事を頭に入れておくべきだ。
密着剤
次に密着性を高める為に密着剤を塗っていきます。密着剤を塗り終わると、ベースとなる塗料を塗りいよいよ植毛塗装を行います。
これが植毛塗装の元になる“毛”で、パイルと呼ぶそうだ。実際に手に取ると、ふわふわした絨毯のような毛であり粉のようでもある素材だ。
分かりやすく説明すると“昔のこたつ”や“カーペット”を触っているような感覚。
これを写真の噴射器で噴射していく。すると先程の密着剤によりパイルが接着され、ダッシュボードがカーペットのようになっていく。
光を当てながら、吹付けが甘い所がないように確認しながら均一に噴射を続けていく。
噴射が終了すると、乾燥機で乾かし作業は終了。
まるで新品のようで複数開いていた穴もまるで分からない上に、高級感のある仕上がりになった。
フロッキー塗装の強み
昔は植毛塗装と呼ばれていたが、最近はフロッキー塗装と呼ばれる事が多く、認知度も高まっている。
今回、筆者がフロッキーを選んだ理由は何と言ってもコストパフォーマンスである。もちろんアルカンターラや革張りにする選択もあったが、ダッシュ一面で4万円(180sxの面積料金)で、その日に出来てしまうという事。
加えて、河原さんから利点などを質問してみた。
「塗装なので、張替えで難しい曲面や極端にくぼんだ所などにも施工が可能です。あと塗布面積で料金が決まるので、場所によっては、ものすごくコストパフォーマンスが高いと思います」
「素材は燃えにくく、耐熱性があり、水洗いも可能です。旧車などは、ヒビ割れがひどいパーツを、無理やり高額で買ってくるより安く綺麗にできるかもしれませんね。素材は布とか染み込むような物以外は塗装できます」
前回紹介したデフロスターなどは、今回のフロッキー塗装で紫外線による劣化を軽減できるだろうと予測する。
お客さんの中には、ダッシュボードを外すのが大変だから、市販のダッシュボードカバーを購入して、それにフロッキー塗装をする方もいるそうだ。
もちろん、アルカンターラや革張りも良い。これは間違いないがこのフロッキー塗装の仕上がりを見てどうだろう?一度は試してみる価値があるのではないだろうか?
また、こんな話も面白かった。
「ダートかラリーをやられている方で、日光がダッシュボードに反射するのでフロッキー塗装したいって方いらっしゃいました。たしかにフロッキーだと、日光が反射する事はないですよね」
カラー
今回は無難にブラックを選んだ。フロッキー塗装がどのような仕上がりになるか、初心者ゆえの選択だが、出来上がってみてベージュでも良かったと思っていた。
「色については、ベースが8色ありまして、それを混ぜる事も可能なので、例えば紫にしたいって場合は青と赤を混ぜて紫を造ったりとか、そんな事もできますよ」
人気はブラックとレッドだそうで、カラーも好みによって調色ならぬ調合をしてくれるそうだが「これとまったく同じ色にしてほしい」というニーズは要相談だろう。
耐久性
作業場にあるビニール椅子がフロッキー塗装されていたが、2年間毎日使っていて、剥がれなど見られない。フロッキー塗装の強度や耐久性はどのくらいあるのだろうか?
「相当な力でこすらない限り剥がれないと思います。この椅子なんかも2年ほど毎日使ってますけど、剥がれないですね」
但し、植毛なので施工した所に物をずっと置くと毛が凹んだようになったり、紫外線が当たりやすい場所で放置しておくと色あせが起きる場合があるそうだ。
ただ、これについてはさすがに一般常識の範囲であって、それを説明してくれる河原さんは親切な方だと思った。
防音
この日はダッシュボードだけ持ち帰り、残りの物は後日送ってもらう事にした。
数日後、梱包された内装が届いたので、防音に挑戦してみた。180sxの内装は薄く、輸入車のように消音材も入っていないので効果が期待できる。
消音材は大阪のbe on soundが販売している製品で、社員全員がクルマ好きという会社。この3Mシンサレートは薄くて軽く、断熱効果もあるらしいのでダッシュボードとドアの内側に貼ってみた。
効果
貼り方は大雑把になってしまったが、効果は思っていた以上で、クルマのすれ違う際の音や、車外の音がかなり軽減された。
逆にロードノイズが気になってしまう程で、機会があれば床にも貼ろうと思う。
フロッキー塗装キャンペーン
今回紹介したトータルリペアカラーのフロッキー塗装だが、ストリートシックだけの3ヶ月限定20%OFFのキャンペーンを実施してくれます。
気になった方は、連絡してみてはいかがだろうか?もちろん、フェンダリスト・ジャパンでも展示されるので実際に見てほしい。
掛かった費用
※分かりやすくする為、送料や交通費、消費税など端数は除いています。
ご予約はこちら
トータルリペアカラー
〒932-0823 富山県小矢部市福上326
営業時間:9:00~22:00
定休日:不定休TEL:090-2372-9894
HP : トータルリペアカラーTwitter : トータルリペアカラー
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