11月25日(日)にアイメッセ山梨で開催されるFenderist Japanですが、ストリートシックでも何かできないかとの事で、100万円でどこまで出来るかデモカー製作企画をする事になりました。
ストリートシックに出ていただいた方や、この記事を読んでいただいてる皆様には遠く及ばないかも知れませんが、全国各地のショップさんの特色を紹介しながら、その様子をお伝えしたいと思います。
ベース車両とコンセプト
ベース車両は筆者の所有している180SXの後期。見ての通り何とも言えない仕様になっています。
取材で出会うマシンばかり見つめてる内に自分の事は、すっかり無頓着になっていました。
ボディはFRPのクラック、歪み、ドアパンチ、チリの悪さ、塗装の色あせなど、写真では伝わりにくいかも知れませんが状態は良くありません。
しかし、フェンダリストという目標ができたので、コンセプトを元に仕上げていきたいと思います。こうした目標があると、クルマ造りにも向き合えるので非常にいい機会です。
コンセプトは「都内も走れるカスタムカー。海外からの支持も得ることができるJDMスタイル」
少し抽象的ですが、がっちり決め込むとパーツセレクトや作業に時間がかかる為、そこはエントリー車の方々の車両を見て満足しようと思います。
限られた時間と予算の中で出来ることをやっていきます。もしかして大失敗するかもしれませんが、それも失敗例として参考にしてもらえればと思います。
メンテナンス
疲労感たっぷりの180sxにはメンテンナンスが必要という事で、目下急を要するポイントから直していきたいと思います。
今回依頼するのは、埼玉県のカスタムショップrdbase。BMWなどユーロ車を中心に扱うショップです。
フェンダリスト・ジャパンではユーロ車のエントリーもいただいている事もあり、国産も普段から扱ってるよ!との事でお願いする事にしました。
お願いする作業は、ブレーキパッドと燃料ポンプの交換。
ENDLESS
ブレーキパッドはエンドレスのスーパーストリートSスポーツを選択。
180SXのブレーキは、ノーマルですと止まらない事で有名です。定番のスカイラインの足回りを移植したい所ですが、今回は予算を抑えるためにパッドのみにします。
ローターはクラックや歪みも特にないようですが、キャリパーのサイズを見る度に心細くなります。
燃料ポンプ
180SXは10万キロで駄目になると良く言いますが、筆者の場合、燃料メーターが急にEMPTYになったり、通常の状態になるのを繰り返していました。
また、燃圧も安定せず気になっていた為、交換に踏み切りました(燃料フィルター、ホース、レギュレーターは3ヶ月ほど前に交換)
交換するポンプはNISMO。GTR用の流用などよく聞きますが、予期せぬトラブル回避の為、素直に180SX用を購入しました。
作業前にバッテリーのマイナスは外しておきます。
取り外し
180SXの燃料ポンプは、トランクルームにあります。カプラーを外し蓋を外すと一度も交換していない為、ユニットの蓋が汚れています。
このまま作業をしてしまうと、タンク内も汚してしまう可能性があるので、パーツクリーナーで綺麗にします。
次に燃料ホースを2本外して、ボルトを緩め蓋を取り外します。
センダーユニット取り外しの際は、知恵の輪のようにポンプを抜き取ります。少しでもフロートの部分が曲がったりすると、燃料メーターが狂ってしまうので慎重な作業になります。
タンク内は思ったよりも綺麗で、13系でよくある片寄り防止板(奥に見える穴の空いた板)の剥離もみられません。レース車両などは、取る事が多いようですが見た感じ状態は良いのでそのままにしておきます。
ポンプ取付
NISMOの新しい燃料ポンプと取り出した純正のポンプを比べると、ストレーナーが汚れているのが分かります。
ここからポンプの取り付けになりますが、NISMOのポンプは取付に加工が必要です。
まずは、純正ポンプをユニットから取り外します。センダーユニット自体に汚れはないので、取付説明書に従ってパイプを根本から27mm残してカットします。
カットしたら切り口のバリをベルトサンダーで取ります。パイプの内部も同様にヤスリで丁寧にバリを取っていきます。
次に、ポンプを支える底板に5φの穴を2箇所開けます。これは写真のように底板とポンプの間にスペーサーを入れる為ですが、まずはマーキングを行い穴の位置がずれないように5φよりも小さい穴を開けています。
位置を確認したら、5φの穴を開けてスペーサーを取り付けます。
問題発生
ここまで説明書通りに作業を進めてきましたが、ポンプを取り付けると写真の用にポンプが斜めになってしまいます。
rdbaseの金本さんによると、この状態は良くないとの事で、パイプを再度カットしてもらい微調整してもらいます。
カスタムやチューニングをする方なら分かると思いますが、決して説明書通りにならない事はよくある事。ましてアフターパーツとなると臨機応変な対応が必要になります。
主観ですが、こうしたトラブルに対して即座に対応策を思い付く、またはノウハウを持っているといった方が良きチューナー、ショップと呼ばれるのかも知れません。この辺りはセンスに近いものがあるかと思います。
さっそく、調整をしてもらいポンプをユニットに対して垂直に取り付ける事ができました。1回の調整で狙い通りにするあたりは流石プロといった感じです。
ポンプを元に戻す
後は、元に戻す作業です。燃料ホースの劣化が少し気になりますが、交換は次の機会にしたいと思います。
元に戻す際の注意点としては、エンジン側へのホースとリターン用のホースを間違えない事。また、新品のOリングに必ず交換します。
燃料ホースがきちんと取り付けられてないと、ひどい場合ガソリンが吹き出しますので、蓋をする前にポンプを動かして確認したほうが良いでしょう。
取り付けが終わったら、バッテリーをつなぎエンジンをかけて、燃圧を確認します。異常なく安定しているようです。
ちなみに、NISMOの燃料ポンプは、大容量になっているので調整できるレギュレーターが必要になります。純正で取り付けると燃料が濃くなってしまう可能性があるので注意が必要です。
ポンプの作動音の大きさについては、特に気になりませんでした。もしかして、ドンガラにしていると、気になるのかも知れません。
ハッチダンパーの交換
思ったより時間が余ったので、ハッチダンパーの交換をします。
ハッチダンパーは、一体型のタイプと分割できるタイプがあります。確かではないですがアフターパーツは分割できるのかもしれません。
ダンパーは、へたってくるので以前から持っていた予備をDIYで取り付けてみます。
作業方法は色々あるのかもしれませんが、筆者の場合、取り付けられているハッチダンパーを取り外し、ハッチを支えてもらい取り付けました。ハッチが重たいので1人では大変かもしれません。
作業を終えて
rdbaseに車を入れてから、2時間程度でしたが、トラブルにも対応してもらい問題なく走っています。
事前にやってほしい事を伝え予約すれば、丁寧に作業してくれますし、作業風景も見る事ができるのでオススメのショップです。
何よりもコミュニケーションが取りやすく、状況も詳しく説明してくれる所がありがたいです。
次の課題
さて、燃料メーターの異常ですが、燃料ポンプを新しくして数日経っても変わりませんでした。そこで180sxの燃料メーターのトラブルについて、ショップ、プライベターの皆さんに意見を聞いたところ、以下の原因がよくあるそうです。
- 燃料ポンプのユニットに付いているフロートに穴が空いている。
- 燃料タンク内のガソリン偏り防止板が剥がれて、フロートと当たっている。
- フロートの接触不良。
- 燃料メーターの自体の故障。
- 燃料メーターの接触不良
今回のケースで言うと、タンク内とフロートを見て1と2は問題なさそうでした。
4の燃料メーターの故障は、メーターの針が暴れるケースが多いらしいですが、どちらかというとEMPTYか通常に戻るかという症状なので該当しないように思います。運転席のメーターには点検モードがあるので試してみたところ、やはりメーター自体の異常は見られませんでした。
そうすると、3の燃料ポンプのユニットに付いているフロートの接触不良か、5の燃料メーターの接触不良が怪しいかなと思います。
3については、解決策も教えてもらいましたので再度ポンプを取り外し実験したいと思います。5については内装を外す予定があるので、その際にチェックしてみたいと思います。
掛かった費用
※分かりやすくする為、送料や交通費、消費税など端数は除いています。