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ハチロク、TRD14R-60の全貌をディーラーのネッツ東埼玉ブルーエリアに聞く!!

14R-60ハチロク!!TRDが本気で造った市販コーナリングマシーン!!ここまでやってたなんて知ってました!?アーム補強、メンバーソリッド化、ファイナル変更他!!その全貌を埼玉のディーラーに聞いてみた

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ハチロク、TRD14R-60の全貌をディーラーのネッツ東埼玉ブルーエリアに聞く!!

先日、トヨタのディーラーから本メディアにお声がかかった。ディーラーと言えば、輸入車ディーラーなどは、ホイールを変えるだけで出入り禁止になる所もある。

こうした背景がある中、正直なところ大丈夫なのかと思いながら、埼玉にあるネッツトヨタ東埼玉、ブルーエリアにお邪魔してきた。

レース活動をしているディーラー

まず、はじめに担当の高木さんから、ブルーエリアについて紹介してもらった。

ハチロク、TRD14R-60の全貌をディーラーのネッツ東埼玉ブルーエリアに聞く!!

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「モーターファンGブルーエリアっていうのが、クルマを通して当社のファンになってもらおうっていうので、レース活動ですとか、カート大会とかをやって、クルマに興味をもってもらうという趣旨の部署なんですね」

ショップ内は、レースで使用されているハチロクや、チタンボルト、SACHS(ザックス) の車高調などが展示されており、限りなくチューニングショップに近いディーラーといった雰囲気。

ブルーエリアの詳細

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TRD14R-60

さて、今回の取材対象となる「至高の86」と称される14R-60であるが、限定100台で、ネットでの抽選販売だったそうだ。

通常のハチロクとどのように違うのか?遠目に見たところ、率直な感想として、その違いは分からなかった。

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「基本的には、ベースのクルマがRCっていって、エアコンついてないクルマを、トヨタのテクノクラフトに持って行って、全部バラバラにしてるんですよ。なので、屋根とかも切って、張り替えをしています。で、アーム類も全部補強品が入って。ほとんどの部品が変わっています」

これから、掘り下げていきたいと思うが、詳細はストリートで培われているチューニングカーのような事をやっているので何とも面白い。

外装

「これの元になるベースが、TRDのテスト車両でGriffon(グリフォン)というのがあって、それをストリートに落としたのが14R-60です。TRDも用品とGTの部門って分かれてたんですけど、グリフォンというのは用品とGTのグループが共同開発していて、それをTRDの市販パーツにフィードバックさせているので、空気抵抗とかGTと同じような設計されてますね」

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出展元:TRDの公式ページより

GTマニアな方にとって気になる話であるが、個人的にはスワンネックやディフューザーがメーカー品として用意されてる事に驚いてしまった。

「そうです、GTウイングはドライカーボンで、ちゃんと中身は中空になってるんですよ。よく見てもらうと、貼り合わせと水抜きの穴が開いてるんです。リアディフューザーも、この車両専用設計で元から付いてきます」

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ディフューザー、GTウイング、ドライカーボンルーフ。高木さんの言葉の通り、グリフォンと見比べると、ベースになっているのは間違いなさそうだ。

しかし、市販化にあたりに苦労した所もある。メーカーゆえに、やはり安心して乗れる品質と、車検もノンストップで通らないと意味がない。

「このクルマでは、フロントのディフューザーが一番苦労したらしいです。車検は、このまま通せるように造ってありますね」

オリジナル商品

場所を変え、作業場を見せてもらうことになった。

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場内にはレースに出す為にメンテしているハチロクや、派手なバイナルのビッツなどが置いてあった。

「あれもビッツのワンメイクで、あの車両に富士山って書いてあるのも、FSWでF1やった時の前座レースに出てた車両なんです」

筆者が考えていたディーラーのイメージといい意味で違う。そんな事を考えながら、14R-60の続きを聞かせてもらった。

「マフラーは中間からの1本出し。元は2本出しでテールしか変わってなかったんで、もう少しトルク出したいなっていうので、センターパイプから変わってるオリジナルのマフラーです」

センター出しは「高回転のハイトーンが魅力です」との事。

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ブルーエリアでは、他にもチタンのメンバーボルトや、スタビブラケットなどオリジナル商品を多数用意しているので、ハチロク乗りの方はチェックしてみてはいかがだろうか。

エンジンルーム

エンジンルームは、AFEタケダのエアクリーナー(ボックスの中にキノコタイプのエアクリが入っている)、タワーバーはオクヤマのカービング(オリジナルを作成中)などが主な変更点。

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面白いのはオリジナルのレベルゲージストッパー。サーキットを走る方が、タイラップなどで留めているアレだ。

「これは、サンプル品なんですけど、締めると中のボールベアリングが出てきて締まります」

開発中らしいが、これは気になるアイデア商品だ。

水平対向というと、オイルの管理がメンテナンスのポイントになるように思う。勿論、昔とくらべて改善されていると思うが、やはりサーキット走行になると、オイルが噴いてしまう事もあるだろう。

コーナー中のオイルの偏りについては、こんな対策がされているそうだ。

「このモデルはサーキット走行を想定していて、オイルパンに偏り防止のバッフルプレートが入ってます。横Gが掛かると燃焼室の方にオイル行っちゃうので」

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また、ボルトが所々、チタンボルトに変更されていた。

「これはオリジナルじゃないんですけど、サンダーボルトさんというメーカーさんが出しているもので、86用のパッケージで出していますね」

チタンボルトの利点としては、やはり錆びない、軽いといったもので、見た目のパフォーマンスにも一役買っている。

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おさらいとして聞いてみた、ハチロクの馬力はどれくらいなのだろうか?

「前期と後期でちょっと違うんですけど、これのベースはカタログ値で200馬力です」

あくまでもコンセプトは“コーナリングマシン”。走りという点にフォーカスすると、この馬力をフル活用する為の工夫が一番見所と言える。

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アーム補強

“TRDが本気で造ったコーナリングマシン”らしいが、多くのカスタム・チューニングカーを取り上げてきた筆者としては、どの程度なのか気になる。そこで少し意地悪かもしれないが「上げて見せて」とお願いしてみた。

「実際は、ロアアームに補強が入ってますし、ブッシュ類は全部強化ブッシュになってます。で、何箇所かピロになっているのと、リアメンバーはブッシュではなくソリッドになっています」

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と話しながら、リフトで上げてもらうと、その言葉の通り、ドリフトやATTACKといった競技車両がやっているようなカスタムが施されていた。

高木さんが「たぶんご存知ないと思いますが…」と話し出す。

まず、リアディフューザーとセットで、ロアアームにカバーが付いている。これは、着地(1Gかかると水平になる)した時にエアーの流れをディフューザーに効果的に流すようになる。

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また、ロアアームには前後共、補強プレートが入っており、アーム類はすべて補強されている状態だ。

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加えて、リアメンバーもメンバー上げしているという。

「リアメンバーも、普通ならブッシュを介してるんですけど、メンバー自体をボルト穴だけ残して、そのままくっつけてます。ソリッド化ですね。あと、ファイナルも4.5になっています」

ハチロク、TRD14R-60の全貌をディーラーのネッツ東埼玉ブルーエリアに聞く!!

「ようは、Sタイヤ履かせる事を想定して造ってるんで、タイヤのグリップに負けないようになってます。そこが皆さん知らないところかもしれませんが…」

これには驚いた。失礼ながら、国内メーカーがここまでやっているとは知らなかったし、予想の範囲を超えていた。これはベース車というより、そのままサーキット走行できてしまうようだが。

「はい。ディーラーとして安心して使ってもらえる物を提案したくてやってます」

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本車両には、デフも機械式が入っている。どうやら、購入したら、そのまま公道を走ってサーキットに行けるというモデルらしい。

SACHS(ザックス)の車高調

ザックスの車高調といえば、欧州車ではよく知られた存在。特にBMW乗りの方にはお馴染みかと思うが、ここ最近、国産車でもよく聞くようになってきた。

というのも、トヨタが導入し、その信頼度が上がった事もあるだろう。本車両もザックスの車高調がインストールされている。

「はい、ザックスさんでこの車両に合わせて造りました。元々TRDのが入ってたんですけど、まぁ、ちょっと硬いって声がありまして。で、ザックスさんにお願いして、全部測定してもらったら、かなりのハイレートなバネ入ってまして。同じようなバネレート入れてどうなのかなってところと、トヨタもザックスを使い始めたので導入しました」

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「はじめは、ディーラーオプションで、純正形状のザックスのショックが出てて、マイナーチェンジ後は、パフォーマンスパッケージっていうのでメーカー出荷状態でザックスが組み込まれるようになって、さらにGRシリーズのビッツや、ハチロクもザックスの足回りになっています」

足元

アーム類をはじめ、車高調の性能をさらに向上させる為に、本車両にはマグ鍛が専用装備されている。

サイズはF:8.5j+30、R:8.5j+46でタイヤは235/40r18の通し。

“NAで足元を軽くするのは大切”とよく聞くが、マグ鍛はどれくらい違うのだろうか?機会があれば試してみたいものである。

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ブレーキも、TRDのキャリパー装備されているそうだ。

「ローターとパッドはプロミューさんにお願いして、オリジナルで造りましたが、キャリパー(TRD)は最初から付いてます」

IRPスポーツシフターがすごい

室内を見ると、前述の通り“このままサーキット行ってもいいですよ”という事で、TRDのフルバケが2脚にTAKATAの4点が入っている。

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そしてメーターは、質感のあるIndicatorのパイロットランプ風のメーターに交換されていた。

室内で一番気になったのは、IRPスポーツシフター。こちらも社外品になるが、クイックシフトと言えば分かりやすいだろうか?ヨーロッパ、リトアニアのメーカーの製品らしいが、どのような製品なのだろうか。

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「クイック過ぎて笑っちゃいますよ、やってみてください」と高木さんが座席をあけてくれた。

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操作した印象は「え?これだけ?」というくらい短い。そして短いだけでなく、手に伝わる“コクッ”という感覚は病みつきになりそうだった。ほとんど、シーケンシャルの感覚に近いだろう。逆にクラッチが間に合うか心配になるくらいだ。

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シフトの位置もハンドルに近くなり、慣れれば競技だけでなく、ドライブするだけでも、運転が楽しくなりそうだ。車種によるがリバースの際はボタンを押して入れるので、誤操作も安心な様子。

輸入元の方に話しを聞くと「マニュアルミッションのシフトマニア向けの商品」との事で、どうやら本取材を機会に180SX、シルビア用も輸入してくれるかもと話してくれた。

欲しい方の声が多ければ、もしかして他の車種も輸入してくれるかもしれない。

電スロについて

トランクには、ブレースバーが組んである、実のところ、これを見てTRDの本気を感じた。何故ならメーカーがトランクスペースを潰して走りを優先したと感じたからだ。

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「基本的にはコーナリング重視で、ハイレートのスプリングにも耐えられるようなボディ剛性を持たせるっていう事で。今はオリジナルでアルミに変えてますけど、元々はスチールのパイプが入っています。ルーフも重量軽減というよりも、軽くして重心を下げたいという理由で、ドライカーボンになっています」

モアパワーを求める現代の風潮において、あくまでも“コーナリングマシン”を追求した形になっているが、そこで気になったのが電スロ。これは一昔前で言うと“クイックさがない”、“鈍い”と言った声が多く聞かれた。

これについて、高木さんはどんな意見を持っているのだろうか?

「ECUでそこは、何とでもできますんで。今は燃費の方に設定されているので、どうしても入力の信号に対して抑えてる指示を出してる所もあるんですけど、色んなメーカーさんやショップさんが、コンピューターをやってますんで、そのあたりはコンピューターチューンで補えるかと思います。あとはPPTのようにスロットルコントローラーもありますし」

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高木さん曰く、最近の電スロは精度が高く、セッティング次第では、ワイヤー式と遜色ないそうだ。ちなみに、このハチロクはドライヴィジョンECUでセッティングされているとの事。

気になる事を聞いてみた

14R-60ハチロクの詳細を聞いている内に、何故ストリートシックに声を掛けていただけたのか理解する事ができた。

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取材も終盤にあたり、個人的に気になっていた事を質問してみた。あくまでも、ディーラーの方としてではなく、クルマ好き同士の雑談と捉えてほしい。

ハチロク、TRD14R-60の全貌をディーラーのネッツ東埼玉ブルーエリアに聞く!!

ーー造り込めばハチロクはコーナーが面白いと聞いていたが、実際の所、このクルマはどうなんですか?

「なんか、運転うまくなったくらい曲がりますね(笑)」

ーーハチロクの次期モデルにターボが出るって聞いたのですが、噂はどうなんですか?エンジンルーム見ると、スペース的に厳しそうですが。

「もう、ないですね。ミッションですかね。スバルさんはターボがあると思うんですけど、FRのミッションがないんで。このクルマも、馬力上げるとディーラーで取り扱う車両としては厳しいかなと思います」

ーー今後のハチロク、BRZの動向はどうですか?

「あと、1、2年やってモデルチェンジかなって話みたいですけど、やっぱり今は買ってもらったお客さんに楽しんでもらう事がディーラーの役割ですね」

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ネッツ東埼玉ブルーエリアは、ハチロクの専門知識、ノウハウがあって、ディーラーとしてできる範囲で面倒を見てくれるお店。オリジナル商品もあり、ディーラーで安心してカスタムして乗りたい人はピッタリのお店だ。

最後に、すべてのクルマ好きに向けて、こんな意見を聞かせてもらった。

ーートヨタってイメージ的に、ここ最近スポーツカーを敬遠してたように思うんですけど、それはまた変わりつつあるんですか?

「スポーツカーって括りより、まずは、クルマを使って楽しんでもらおうという方向になってきてますね」

Written by: Maruyama
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