思いがけない出会いになった。前回の記事で紹介したマーシーさんが紹介してくれた紀州痛車協会の代表ことミルキー@さんだ。紀州と言うと日本では和歌山県の事を指すことが多い。
紀州痛車協会はかれこれ7年ほど活動しているが、それ以前にバイクにステッカーを貼って様々な活動していたので、その歴は長い。
ドリ車兼、痛車
彼の180sxは痛車というだけでなく、横滑りの為に様々な工夫がされているドリフト仕様でもある。「非公認だが、迷惑をかけたくないので」と、自らのデザインでボディ全面にあしらったゲームのキャラに敬意を払い、サーキットに行く以外は極力動かさずにいるそうだ。
主なステージは「鈴鹿ツイン、YZサーキット」。理由は安全に走りたいとの理由でクラッシュの多いサーキットは避けている。
ベースは中期の180sx
この車両に至る前に同じく180sx、s14シルビアなど合計9台ほど乗り継いでいる。ベース車両は180sxの中期。「車検以外はショップに出していない」というほど自分の手でDIYをする。購入時は燃料漏れに悩み、何度も燃料タンクを降ろしたらしい。
筆者も180sxを所有しているのでうなづける「また壊れた」というやつだ。
バンザイ解消の為のメンバー加工
無加工で車高を落としていくと、ある一定のところからロアアームが下から上に支えるような状態になり、真後ろから見た際に人間が「両手を上げている」ように見えることから”バンザイ”と表現する事があるが、ロアアームの角度が変わると様々な障害が出てしまう。
彼のマシンもバンザイ状態になりドライブシャフトのブーツが破れ、半年でドラシャを3回も変える羽目になった。これを解消する為メンバー加工を施し15mm上げと、ゴムブッシュを廃しリジット化を行った。
フェンダー内の干渉ポイントを叩くのはもちろんのこと、キャスター角の変更によりホイール位置を前方向に移動させ、ロアアームの加工によりキャンバー角を10度以上つけている。
ロアアームはs14用を50mm延長加工している。s13の純正ロアアームから考えると65mmの延長となるから驚きだ。さらにタイロッドエンドもワンオフで角度をつける事でバンザイ状態の対策を行っている。
これによりステアリングの”全切り”を実現。ドリフトも高速道路も問題なく走れるようになった。
これだけの加工にもかかわらず、彼の周りにはさらに車高の低いマシンを所有する方がいるらしく、自分で「車高短」とは言わないそうだ。機会があれば、お会いしたいものだ。
ホイールの内側をラッピング
ホイールとタイヤはフロント9.5j+18に225/35/18、リアは10.5j+15に225/40/18。基本的に引っ張っているが「 セパったことも、ビード落ちもエア漏れも一度もなし」とのこと。ホイールの内側のリムに緑のラッピングが施されているのは面白い。
エンジンルームをチェック
s15タービン流用、エキマニは音が気に入っているSuperMade、コンピューターはMine’sを吊るしで使っている。ブースト0.95で290馬力ほどだが昨今の過激志向なドリフトとは一線をひいており、安全で楽しめる仕様だ。
ラジエターはs14純正、オイルクーラーはGReddy、ヤフオク製の不明インタークーラーにはゲームメーカーのロゴが描かれている。
外装はDuceフルエアロ
外装はDuceのフルエアロ。バンパーはs13の前期用ウインカーをつけたかったので前期用をチョイス。ドアミラーは今や購入の難しいガナドールのミラーを黒に塗って上からグリーンフレークを散りばめている。ルーフにはグラインダータトゥーが施され、細部まで抜かりがない。
室内はダッシュカバー、油温、水温、ブースト、大きなタコメーターが設置され、走りの必需品も抑えている。
2017年はモディファイの年
ここまで仕上げるのに多大な時間と費用を必要としただろう。しかし、2017年は仕様変更を行う。そこには彼なりの美学が存在するのは間違いない。「外せるなら戻せる」の精神でDIYをしてしまう”たくましさ”も見習いたいものだ。
今後の動向も見守りたいと思う。
この車両に関するデータ |
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外装:Duceフルエアロ、ガナドールミラー ホイール:18インチ フロント:9.5j/offset+18/18、リア:10.5j/offset+15/18 タイヤ:フロント:225/35/18、リア:225/40/18 足回り:ワンオフ加工延長s14ロアアーム、ワンオフタイロッド、シルクロード車高調 タービン:s15純正流用 コンピューター:Mine’s 吸排気:SuperMadeエキマニ、D-MAX加工マフラー キャラクター:プリズム リコレクション!このかちゃん |