ストリートシックのデモカー180sxですが、昨年からエアコンの故障などメンテが続いています。
さらに、フロントに225/40-18のTOYOTIRES PROXES R1Rを履いて少し車高調整した所、ハンドルを切った際に運転席側のフェンダー内にある配線グロメットに干渉するようになってしまいました。
イベント向けとはいえ、配線を切ってしまうと大変なので埼玉のJ,beatに相談する事にします。
現状
9.5jのLXZに、PROXES R1Rの225/40-18の組み合わせは、ショルダーがかなり起きた状態になります。
このタイヤのムッチリした感じは狙ったのですが予想以上だった為、180sxに履くには少し無理があり、やはりフェンダー内の処理が必要です。
J,beatの坂本さんに、先々サイクルやワイヤータックを予定している旨を伝えます。
チェックをしてもらった所、現状はやはり運転席側のグロメットとそこから出ている配線の束、バンパー側のウォッシャータンクに干渉するとの事。
配線上げか引き直しが一番良いが時間が掛かるのと、今後取り組みたいワイヤータックなどを考えると、グロメットの縁をカットして配線に干渉しないよう逃してあげる暫定対応が良いのではないかとの事。
またグロメット下の鉄板も当たる可能性があるので叩いたほうが良いとアドバイスをもらう。
作業開始
打ち合わせが終わると、さっそくグロメット下を叩いてもらう。この場所は、車種によって後ろに重要な物があるので、専門知識を持った人にお願いした方が無難だ。
坂本さんはSR系も多数取り扱っており、叩く場所はほぼ把握しているようで、最小限の手数で叩き終えてグロメットの縁をカットする。
グロメットをカットする事で、動かしやすくなった配線を注意しながら少し上げてステーで固定し、カットしたグロメットの縁はコーキングした上でチッピング塗装をしてくれた。
助手席側もチェックして、配線が垂れ下がっている所を固定して約1時間程度で作業は終了した。
カンガルータイプ
あまりにも早く作業が終わったので、干渉する可能性のあるウォッシャータンクを外してもらい、数年前に購入してトランクの中に眠っていたカンガルータイプのウォッシャータンクを付けてもらうことに。
従業員の谷口さんに配線の通電チェックしてもらった所、断線もしていないので大丈夫との事。バックは運転席側のバルクヘッドに設置してもらいます。
これも感覚で好きな所に付けてしまうと、熱でバックが溶けたりする原因になるので素人判断はやめたほうが良いでしょう。
ゆくゆくはトランクまで持っていきたい所ですが、配線の延長など準備が必要です。
全切りが可能に
作業を終えて、タイヤが干渉しないかチェックします。
何度かタイヤを付け外しして調整が必要かと思いましたが、短時間の作業で何事もなかったようにハンドルを全切りする事が出来ました。
J,beatは鉄板溶接フェンダーの制作や足回りの調整を得意としているので、今回のような内容は慣れた作業との事。
ただ、車両の状態やセッティングによっては叩く箇所が多かったり、物理的に無理な事もあるので同じような悩みを持っている方はショップにお願いする際、自分のやりたい事と分かっている範囲での状況を説明すると良いだろう。
ツラ出し
さて、取材時間が余ってしまったので、フェンダリストに向けて、現状からさらにツラを攻めれないか相談してみる。
しかし、坂本さんはこの状態からツラ出しをするのは少し難しいとの事。
というのも、フェンダー制作時にはホイールやタイヤを決めてアライメントを取った上で完全な準備が出来てから、それを基準にフェンダーを制作するが、フェンダーは同じように見えて左右で取り付け位置や形状が微妙に異なっていたり、そのフェンダーを付けた際のセッティングに最適化されている為、後からセッティングを変えてツラを攻めるのは難しいそうだ。
なるほどと関心してしまうが、ノンクレームとイベント用という事で作業をお願いする。
ショルダーフラッシュ
まず、デモカーとしてのコンセプトを今一度伝え、タイヤのショルダーで合わせるショルダーフラッシュを前提としてツラを出してもらう事に。
「今、ケツ下がりなのでフロントはピロアッパーで起こして、車高を下げてツラを出す。リアに関してもキャンバーを起こして、起こす事によって車高が上がるので、それに合わせて車高を調整するのがいいのかな。あんまり極端には触らずが良さそうですね」
「あと、あくまでも目検になるので、最後は絶対にアライメントを取らないと駄目ですね。最終はアライメントで調整という感じで」
フェンダーに関しては、装着しているMOZEのフェンダーに厚みがあるので、内側の爪を限界近くまで削っても全然大丈夫との事。
社外のFRP製品によっては、削ってしまうと割れや歪みが出る可能性があるそうなので注意が必要になる。
作業に入るとこれまた手際良く、フロントに関しては一回の調整で決めてくれた。
「耳があるフェンダーでショルダーが立ってると、ハンドルを切った時にどうしても限界がこれくらいですね」
「フロントはもうちょっと落としたいなっていうのはあるんですけど、これくらいがアンパイですね。あまり攻めてフェンダー割っちゃってもあれなんで」
作業データとしては、フロントは約2度起こしで、車高は1センチ下げ。
ここで作業を止めて休憩する事に。徐々にですが180sxも全体的なバランスが良くなってきました。
やり直し
作業を再開して、リアもフロントと同じくフェンダーの内側を削り、約3度起こしで1.5センチ下げから始めます。
ところが、予想以上にタイヤがはみ出してしまった為に、もう一度作業をやり直す事になります。
通常は舵を切るフロントの方が難易度が高いが、キャンバーをどれくらい立てれば、どれくらい車高が変わり、どれくらいタイヤが外に出るといった計算は個体差があるので、かなり経験がいる作業です。
さらに言うとバンプ時の状態も関わってくるので、ツラ出しはこだわると永遠に続くテーマというのがよく分かります。
2回目の調整はフロントとのバランスも考慮して、約2度起こしで1センチ下げ。これでひとまず様子を見るという事に。
ツラ出しは、走るクルマや置くクルマによっても異なる上に個体差がある為、難しい作業。しかし、それだけに置きのイベントなどでツラの出し方を見ていくと楽しめる要素だったりします。
フロント
180sxのビフォー、アフターはどうでしょうか?まずは調整前のフロント。
調整後はわずかな違いに見えますが調整前に比べて、足元に一体感が出ているのが分かります。このわずかな差は初めて車両を見る人の印象を大きく変えます。
リア
リアはどうでしょうか?調整前の様子から。
リアの調整前は、フェンダー、サイドステップ、アーチ、バンパーの関係にバラ付きがありましたが、調整後はかなり一体感が生まれました。
積み重ね
180sxは車高の高いクルマでいかに魅せるか?という課題にも取り組んでいるので、ツラを出してもらう事は非常に重要な作業です。時間はかかりますが、これからも突き詰めて行きたいと思っています。
フェンダリストに出ている方は、足回りのセッティング、タイヤの銘柄、ツラの出し方をさらに煮詰めた方ばかりなので、こうした裏方の作業を見てからイベントに行くとさらに楽しめるでしょう。
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