180sxを5台乗り継ぎ、3台は廃車したというHIROさんは根っからの「走り屋」なのかもしれない。
現在はサーキットでの走行会がメインなものの、頭文字Dにも登場する某峠の近くに住み、昔は峠を相当走り込んでいたと言うから、そのまま頭文字Dに登場してもおかしくないような人物。
なるべく目立たせないカスタム
外装はフロントリップとルーフスポイラー以外はすべて純正のまま。
ただし、HIROさんのカスタムポリシーは純正ルックだけを重視している訳ではなく、「これやりましたよ!と言うのをなるべく出さない、なるべく目立たせないカスタム」がテーマになっている。
一見すると、純正のままと思いきやライト類はすべてLED化されていたり、塗装はZや35GTRに使われているソリッドの赤にオールペンされていたりするのもポリシーに基づいたカスタムと言える。
足元はフロントが17インチの9j+22、リアが18インチの9.5j+12のホイールで、タイヤはフロントが215/40、リアが225/40で外径差はあるものの、さほど気にならない程度との事。
s13系のウィークポイントと言われるブレーキ関係は33typeMのブレーキ移植を行っている。
エンジンオーバーホール
HIROさんはエンジンのオーバーホールを過去2回も行っている。1度目はバルブを曲げて、2度目はオイルストレーナーが折れてしまった為、オーバーホールに踏み切った。
2度目の原因となるオイルストレーナーは、油圧メーターの振れがおかしく、走行中にエンジン音が大きくなった為ピットインさせ、エンジンをバラした際に気がついたという。
オーバーホールはみっちりやるらしく費用は毎回100万円ほどかけている。鍛造ピストン(マーレー)のおかげかレスポンスには満足なのだそうだ。
また、ミッションについても何基も壊しているが、振り返ってみると大きなクラッシュは今まで一度もないらしい。
ブースト1.35で400馬力
タービンはトラストのT518Z、コンピューターはフルコンのVプロを採用。今は設定しきってないので400馬力は使い切ってない。
パワーバンドは3500回転あたりでピーキーなセッティングではなく自然なカーブ「気がついたらスピードが出ている」といった味付け。
エキマニはアルトラックでマフラーはエクセレントワークスのデュアルマフラーとSR乗りがうらやましがる組み合わせだ。
冷却系はオイルクーラーがHKSでコアをアールズに変更。ラジエターはBLITZのアルミ3層で冷えすぎて水温が上がらないため、一部アルミ板で塞いでいる。
シームレスなメーター埋め込みとクロスバーが印象的な室内
「クロスバーを見せたくて、リアガラスのフィルムを剥がしたんですけど大変だった」
ロールバーはサイドバー、クロスバーを加え11点式でリアから見るとものすごく映える。純正ルックにレーシーなクロスバーだから尚更だ。
また、ダッシュボードに埋め込まれたメーターはシームレスに一体化していて真似をしたくなるカスタムだ。
走りとクルマ造りの原点
最近、HIROさんは走りだけではなく、カーショウに出展したり海外メディアの取材を受けたり、今までとは違った活動も始めている。
こういった最近のクルマあそびも取り入れつつもHIROさんの180SXは「90’sスタイル」を彷彿とさせる、どこか懐かしい感じがする。
それは会話中に出てきたこんなフレーズからも分かる「影響を受けたのは90年台から2000年台の頭くらいかな、古口さん(走りやスタイル)とか今見てもかっこいいなと思いますね。当時やりたくてもできなかったんで、そこが今でも原点というか。」
90年台のカームーブメントは今なお燻り続けている。