フェンダリスト・ジャパンへ向けてのデモカー製作企画もいよいよ最終回となりました。
まずは、純正リアウイングのオフセットマウントから始めます。
リアウイング取付け
リアのトランクに空いていた穴を埋めて、ウイングレスの状態も良いのですが、せっかくですので180sxの純正ウイングを少し後ろにずらして取付けるとどうなるか実験台になりたいと思います。
取り付け位置は、リアバンパーと同じくらいの出幅をイメージして位置を指定させてもらいました。
ただ、ウイングの台座が水平になっているのに対して、トランクには微妙なアールが付いているので、取付けがピッタリとはいきませんでした。
後ほど完成写真にて確認してもらえればと思いますが、見た感じは非常に満足しています。
給油口の加工
大きさによると思いますが、オーバーフェンダーに付き物の給油口。これをどう加工するかはカスタムする人の考え方次第だが、水戸さんがどうするのか様子を見ていた。
「フェンダーをカットするよりは給油口カット。コツはですね、開けた時に干渉するんでギリギリに切らずにクリアランスを開ける。実際4、5回やりましたけど、ちょっとずつ攻めていく感じですかね。大変でしたけど、いい感じですね。注意点!切る時にヒンジの下に回転させる軸が上下にあるんですよ。下側の軸を全部カットするとガコガコになります。あと、給油口開けすぎると傷付くので注意ですよ」
と、MOZE流のやり方を教えてくれた。
タペットカバーの交換
180sxも10万キロと走行距離が伸びてきたので、そろそろという事で、ガスケット交換もしてもらいます。
カバーを開けると、エンジン内は少し汚れている印象ですがプロに印象を伺った。
「綺麗でもなく、汚くもない普通ですよ。D1やってた時に使ってたエンジンはピカピカですよ。洗浄して組んでるんで、この茶色がないです。茶色がオイルのスラッジなんですよ。これがまったくない状態。新車ですね。でも、茶色が付かないエンジンはないですね。走ると付くもんなんで」
普通という回答だが、ついついオイル交換を伸ばしていたので、今後は定期的にオイル交換をしようと思う。
結晶塗装
タペットカバーは、先日の記事で紹介した富山のトータルリペアカラーにお願いして結晶塗装をお願いしました。
カラーはグレーを選択します。これは後々エンジンルームを仕上げるイメージをして決めたのですが、あまり見た事ないカラーをという想いもありました。
結晶塗装は、特殊な塗装で表面がザラザラしており風合いがあって、とても良い感じです。
タイヤ干渉チェック
ついに完成しました。作業スペースから出してタイヤの干渉がないかチェックします。
先日の記事で紹介したバンパーの干渉ポイントも回避策で見事にかわしています。
エアロの出幅
そういえば元々フロント3cm、リア5cmのブリスターを組んでいたが、今回のリメイクで前後2cmのワイドトレッドスペーサーを入れた。
MOZEのオーバーフェンダーはミサイルマン50+を組んでいる(ミサイルマンの詳細)。5cmワイドになる商品だ。
ここで疑問に思ったのだが、計算上フロントはまだしもリアは、スペーサーなしでも大丈夫なはずだが、どうしてなのだろうか?
これは推測の域だが、メーカーや商品によって、出幅の測る場所が異なるのではないだろうか。
ミサイルマンの計測方法
では、水戸さんにミサイルマンの計測方法を聞いてみた所「え?そんなん聞くんですか?」と渋そうな反応だったが、一ユーザーとしては気になる所だ。
「逆にどこで測ってると思います?」
との問いに、素人感覚では一番出てる所と答えたが実際は違うとの事。
ミサイルマンでは、写真の一番出ている所は6cmで、その頂点から傾斜して内側に入っている耳の最終地点と、純正フェンダーからの距離(5cm)を測っている。
これは考え方によって異なるが、MOZEの場合ホイールとの干渉を念頭に置いた測り方のようだ。ミサイルマンはタイヤがストロークした時に、オーバーフェンダーに干渉しないような形状をしており、懐の深いオーバーフェンダーだ。
どちらかというと、デザインありきではなく、激しくストロークするタイヤを考慮した上で、ホイールとの干渉回避も計算しやすい機能美だったりする。
こうした話を聞くと汎用オーバーフェンダーやブリスターといった商品を、エアロという言葉で一括りで考えてしまうのは間違いかもしれない。
コンセプト
ビフォーアフターをチェックすると、同じクルマでもノウハウのあるショップにお願いしてカラーとエアロを変えると、印象がガラリと変わる。
初回の記事でもお伝えしたが、リメイクにあたり考えたコンセプト「都内も走れるカスタムカー。海外からの支持も得ることができるJDMスタイル」」という、抽象的なコンセプトも多くの方、ショップさんにご協力いただき、個人的にではあるが実現出来たと思う。
問題提起
あまり偉そうな事を言えるような身分ではないが、車高を下げるのも難しいが、下げないという選択もまた難しい。
少ながらず、そこに問題提起をする事が出来たのかもしれない。
いずれにせよ、今回のデモカー製作の流れをもう一度読み直しても、フェンダーの魅せ方は戦いである事は確かだ。
故にそれを制した者は賞賛に値するというのがフェンダリストである。
水戸さんによるとこの状態からさらに煮詰める事も可能だそうだ。
「直進する時とカーブする時で変わるんですけど、フロント1.5cm、リア2.5cm落とすとカッコいいですよね。ただ、その辺りから内部干渉が発生してくるので加工が必要になってきますよね」
最終的にリアは2cmのワイトレの上から8mmのスペーサーを入れた。これでフロントは2cm、リアは2.8cm出した事になる。
「車高を下げれば低く見える。これは当たり前なんですよね。でも、視覚のトラップとしてホイールを出したら低く見えるって気が付いてる人は少ないかもしれませんね」
「ホイールをフェンダーの方に絶妙に出すとクルマって高くても低く見えるんですよね。出しすぎると問題ありますけど。エアロの下ってあまり見てないんですよね。ほとんどの人がホイールとフェンダーのクリアランスを見てると思うんですよ」
満足感
すべての作業を完了し、スタッフに挨拶を済ませて帰り際に水戸さんと、改めて仕上がった180sxを見ると、満足感で一杯になった。
「チリ綺麗になりましたね、左側のリトラは時間があれば煮詰めたいですけど、綺麗な車を造ると、何か幸せになりますね(笑)」
お知らせ
本車両はフェンダリスト・ジャパン2018に展示させてもらいます。出展される車両の皆様には遠く及びませんが、全国のショップ様、関係者の方にお力添えをいただき仕上がった外装・内装をぜひご覧いただければと思います。
また、今回装着したミサイルマンもイベント特別価格にて販売します。
掛かった費用
※分かりやすくする為、送料や交通費、消費税など端数は除いています。
全面交換、モール、ドナー車両から移植工賃含む
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〒651-2267 兵庫県神戸市西区平野町西戸田520-1
営業時間:10:00〜19:00(日曜・祭日は10:00〜18:00)
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