前回に続き富山のトータルリペアカラーで、ホイールのリペアと塗装をお願いします。
筆者は廃盤になったLXZが好きで、クラックの入りまくった18インチの中古を探し出して、メーカーでインナーリムを交換した経緯があります(フロント:9.5j-4、リア:10j-2)。
その為インナーは綺麗だが、アウターは状態が悪くリペアと同時にディスクの色も塗り替えようと考えていた時にトータルリペアカラーで、パウダー塗装したサンプルを見せてもらい一目惚れしてしまいました。
リバレル
先日の記事でフロッキー塗装をしてもらったが、トータルリペアカラーはリムの在庫を持っていて、リバレルも行っっている。
例えばBBSをリバレルしようとすると、希望のサイズのリムがあるかどうかを調べて発注し、場合によっては海外から取り寄せるので数ヶ月かかるが、トータルリペアカラーでは在庫がある為、早ければ1週間でリバレルして納品してくれるそうだ。
「そうですね、15、17、18インチは0.5刻みである程度ですけど、主要なサイズは持っていますね」
また、リバレルだけでなくクラックや曲がりについても柔軟に対応してくれるようだが、個人的にクラックは何箇所まで大丈夫なのか、専門家の意見を聞きたくなった。
「数が増えるので大変っていうのはありますけど、一応やるはやります。ただ、うちの場合クラック長さにもよるんですけど、だいたい一箇所1万円程度でやるんですね。で、これが2箇所、3箇所あった時にリム買ったほうが安いってなりますよね。まぁ、それが限界じゃないですかね。で、保証がないので、3箇所直して3万でまた割れますよってなった時に、またお金かけるんだったら新しいリム買われたほうが安くすむ場合もありますし」
クラックの修理やリバレルとなると、多くはサーキットユースやショウカー向けになるので、リムの保証について心配する方は少ないかもしれないが、複数入っている場合は交換したほうが賢い選択かもしれない。
リペアまでの手順
まずは事前にリペアまでの手順をレクチャーしていただき、タイヤを外した上でトータルリペアカラーに送った。
「必ずではないですけど、タイヤは外してもらった方が良いですね。輸送費が高くなるので。ただ、外せないって方は別途かかりますけど対応します」
分解
LXZは3ピースなので、まずはシーリングを外してばらしていきます。
分解したら、特殊な溶剤をかけて洗浄していきます。インナーにはタイヤをはめる際についた傷がありますが、この時点でインナーは綺麗なので、今回は何もせずリムに関してはアウターのみの作業にしてもらいます。
リムの下処理
アウターのリムは特殊な溶剤につけて、表面のアルマイトを取ります。
しばらくすると、泡がブクブクと立ち始めます。そして取り出すと、表面はツルっとした状態になっています。
「これはアルミの素地になります」
ディスクの剥離
ディスクは剥離剤につけて、塗装を剥離した後、ウエットブラストにかけます。サンドブラストは聞いた事があるが、ウエットブラストは水が出ているように見えたが、どういった物なのだろうか?
「今使ったのはガラスビーズですね。たいていの汚れはとれますね。ホイールによっては、鋳物肌が出たりする場合があるので、ここから研磨する場合もあります」
この時点で塗装やインパクトによる傷がなくなったように見えます。
空焼き
ここから、ディスクを窯に入れて200度で空焼きをします。
見た所、ウエットブラストだけで十分そうだが、何故窯に入れて焼く必要があるのだろうか?
「物にもよるんですけど、パウダー塗装の場合、古い塗装は200度に耐えられないことと、通電しないので剥離します。空焼きは水分や油分を飛ばしたり、不純物を取り除く為に行います」
見ただけでは分からない塗装の残りなどを、焼いて取ってしまうという事らしい。確かにメッシュなどは目視で確認は難しいだろう。
待ち時間
窯に入れている間に雑談をした。OMOKAWAと書かれたリム修正機について話していて、色々なホイールの修正をした話。
「けっこう、エグいのもやってきましたけど(笑)見た目に直ってても危険だと思われるものはお断りする場合もありますね」
どういったホイールの依頼が多いのだろうか?
「VS、BBSが多いですけど何でもやりますよ。メッキの上に塗装とかもやれといえばやりますけど、メッキの場合剥がれやすかったりするので、そのあたりはよく説明させてもらって、ご了承の上になりますね。あと、メッキの剥離、塗装は高額になるんです」
ガリ傷
雑談が終わり、リムのガリ傷の補修に入る。
まずは、傷がある部分をサンダーで削り平坦にしていく。ある程度平坦になったら溶接で肉付けしていきます。
これは症状によって、削るだけでいい場合もあるそうだ。
溶接について、こんな豆知識を教えてくれた。
「溶接棒は主に用途によって使い分けます。今日使ったのはリムで磨く前提なので、磨いた時に光る?光が良い、色が合いやすい棒を使っています。クラックの場合は、しなって粘る割れにくい棒を使います」
研磨機
肉付けが終わると、研磨機に乗せてさらにサンダーで平らにします。
次に研磨機を回して、ペーパーの番手を上げながら徐々に磨いていきます。
リムの内側になると、くすんだリムに輝きが戻り始めます。そして、仕上げ剤になると鏡のような状態になります。
この作業が終わると、リムを逆さまにしてディスクに近い側も同じ作業を行い終了です。
写真では分からないですが、古いホイールなので、どうしても取れない小さな腐食穴がありましたが、ディスクをはめると見えない場所という説明を受け、そのままにしてもらいました。
パウダー塗装
いよいよディスクのパウダー塗装に入ります。写真で見てもらうと分かると思うが、とても塗装機材には見えない。
「パウダーって静電気で吹き付けて、くっ付けてるので、その電圧を調整するコントローラーみたいな物と、吹き付けるガンですね」
そして、この容器に入ってるのがパウダーの粉。これを塗布するそうだが、空焼きした後にパウダーは密着するのだろうか?
「密着しますね。ガスプライマーを入れます。プライマーって普通液状ですけど、ガスを当てる事で密着するっていう密着剤があるので」
そこからパウダーを吹き付け始める。
パウダーの塗布が終わったら再び窯に入れて待つ。
ハイパーシルバー
窯から出すと、今度は色を入れていく。黒の状態はベースであって、この上から色を入れていく工程だ。
カラーはトータルリペアカラーで一番人気のハイパーシルバー。
色を入れたら、クリアを吹いて仕上げに磨きをしてもらう。
美しすぎる光沢
ディスクのパウダー塗装、リムのリペアが終わり1本を組んでもらった。
いかがだろうか?控えめに言っても、これほど光沢があり、厚みが感じられる塗装はなかなかないだろう。
強度があり、剥がれにくく、色あせもしにくいとなると、選ばない理由が見当たらない。
「つやがいいですよね。同じ黒でもウレタンとパウダーの黒は全然違いますね。パウダーはもっちりした感じになります。クリア入れると良く分かるんですけど、厚みがあるので」
「デメリットがあるとすると、ウレタン塗装だと調色ができますけど、パウダーの場合調色ができないので、この色で塗ってくれって言われると、造る事が難しいので、似た色で対応しますって所ですかね」
ホイールメーカーがパウダー塗装を取り入れていると聞いた事があるが、それもうなずける。
リムの延命方法
深リムフリークの中には、リムを研磨しただけの“生リム”を好む方もいるかと思うが、メンテナンスを考えると相当大変だ。
では、リムを出来る限り綺麗な状態で保ち、腐食を防ぐ方法はあるのだろうか?
「クリアじゃなければ、コーティングするかですね。ホイール専用のガラスコーティングがあります。高いものではないので、やったほうがいいと思うんですけど、生リム?アルミ素地の輝きが好きな方もいるので」
「腐食については、だいたいは水ですね。水の溜まりやすい所。今回でいうとスポークがリムに当たっている所にいつまでも水分残ってるので腐食しやすいんだと思います。なので、ホイールカバーをはめたり、雨で濡れたら、エアーで吹いたりするといいかもしれないですね」
選択の一つ
施工前の状態と比較すると、まったくの別物になっているのが分かるだろう。
新品を買うか、気に入ってるホイールをリペアするかは本人次第であるが、少なくとも今回のホイールリメイクは選択の一つとなるのではないだろうか?
パウダー塗装キャンペーン
トータルリペアカラーでは前回と同様に、ストリートシックだけの3ヶ月限定20%OFFのキャンペーンを実施してくれます。
気になった方は、連絡してみてはいかがだろうか?もちろん、フェンダリスト・ジャパンでも展示されるので実際に見てほしい。
掛かった費用
※分かりやすくする為、送料や交通費、消費税など端数は除いています。
ご予約はこちら
トータルリペアカラー
〒932-0823 富山県小矢部市福上326
営業時間:9:00~22:00
定休日:不定休TEL:090-2372-9894
HP : トータルリペアカラーTwitter : トータルリペアカラー
お得なキャンペーン |
---|
ご予約時に「ストリートシック見た!」とお伝えいただければ通常価格より20%OFF!!
3ヶ月間(2019/01/15まで)の限定キャンペーンですのでお早めにご予約ください。
|