Cさんと会話を始めて、キャリアが9年とベテラン選手だと分かった。しかし彼女から出てきた言葉は「全然うまくならないんですよねぇ(笑)」
誰か教えてくれないのか?そんな心配をしてしまったが、どうやら話はそういう事ではないらしい。
走る場を探す
先日の記事で紹介した、夢走に参加していた彼女だが、多い時は月1と、コンスタントに走り続けていて、積極的に走る場所を探している。
「今回、夢走は初めてで、いつも走ってる所が都合が合わなくて」
「いつも行ってるところはチーム、ペガサスの走行会で、今回は都合が合わなくて、じゃあ他でやってるところないかって調べたら、夢走がやってたんで。という感じで。お盆に、みんなで走ろうって機会があって、その時に私ともう一人が休みが取れなくて、走れなくて、じゃあ、どこか一緒に走りに行きましょうよって、探して二人で来ました」
人物像
彼女はイルマスタライズという、ドリフト組だったりイベ車が集まったオールジャンルのチームに所属している。
「今、独身です。彼氏にふられちゃったんですよ。ドリフト?うさばらしでもないです。元々好きだから、ドリフトに当たるっていうのはちょっと違って、楽しいからドリフトしたいみたいな」
クルマ関係の仕事をしながら、モータースポーツを楽しむのが彼女のライフスタイル。また、PINK MEETINGなどのミーティングなどにも興味があれば足を運ぶ。
マシン
「ドリフトを教えてくれた先輩がいて、その先輩が90のクレスタ乗ってて、私はテールがつながってるのが好きで、こっちの方がシュッとしてるというか、なんかスタイリッシュ(笑)で、私はマークⅡを選びました」
JZX90、マークⅡはオートマ載せ替え。現在は吸排気、D-MAXの車高調、ブーストアップのライトチューンだが、この状態で走れるようになるまで苦労したそうだ。
「最初はツアラー系の方が乗りやすいよ、楽だよって言われて。このクルマ買った時は、車高調が抜けてたり、色々不具合いっぱいあって。それを最近やっと、全部治せたかなって感じで。乗りやすくなってきました」
元々s14シルビアを乗っていたが、このマシンになってからは長いそうだ。彼女は出来る範囲でDIYもする。
「作業は出来ることは、なるべく自分で。出来ない所は教えてもらいながら一緒に。で、絶対無理だろうって所、オールペンとかはお任せしちゃう」
それにしても、根っからのPINK愛好家なのだろうか、身につけている物から、クルマまでほとんどがPINKと徹底している。写真からPINKを探すのも面白い。これもPINKなんだと。
「このピンクは、私が90に乗る前から、絶対この色にするって決めてた色なんで」
と、ビッツのオプションカラーを選択した。
パワーより今はスキル
「ブーストは、だいたいLoで走ってるんですけど、Loだと1.1くらいで、Hiだと1.5」
パワーもそこそこに、現在はマシンスペックは二の次といった感じで、とにかく走ることに重点を置いている。
「物より腕?をつけたいんで。腕がちゃんと伴ってきたら、じゃあ、パワーをとか、ナックルで切れ角をとかって考えてるんで。今はチューニングにお金をかけるよりも、走行費にかける感じにしてますね」
ただし、運転のしやすさなど、ドライビングに直接関わるコックピットは、自分に合わせて最適化を行っている。
「これ、エグザス(BRIDE)っていう左右非対称のタイプで、外Gがかかった時に右肩の方が出てたほうがいいんじゃないかと思って。みんな、女の子はジータⅢのタイプSみたいなところあると思うんですけど、タイプSだと男の人に乗ってもらう時に座れない?というのもあって。あとはクラッチのペダルをカバーで上げてるくらいですかね」
弱点の克服
「あの人と一緒に走れるようになりたいです(お友達)すっごい上手なんです、あの人。夢です」
と、お友達に追いつく事を目標とし、それが原動力になっている様子。しかし、コンスタントに走り続けてきたキャリアの中で、何が不足しているのだろうか?話している限り、ポジティブに見えるが。
「メンタル(笑)ふふふ、メンタルが駄目です。んー、ちょっと失敗すると、すぐ引きずっちゃって。うまく切り替えられなくって。で、それで、次のコーナー行っても、さっきの失敗みたいになっちゃう。あー駄目だって、あーできないみたいになっちゃって」
本人には確かめなかったが、もしかして完璧主義ゆえに起きるジレンマのようなものなのだろうか。
しかし、そんな状況にもここ最近、変化があったそうだ。
「でも、たぶん、この半年くらいで、そこのメンタルがちょっとずつ強くなってて。もういいやって。次のコーナーは次の瞬間に考えればいいやって、ひとつひとつのコーナーを大事にしてやろうって決めて。で、わりと最近、自分でくやしいとか、出来なくて…くやしいとかじゃなくて、ドリフトできて楽しいって気持ちの方が大きくなってきて」
どうやら彼女は、難しい問題と向き合い続けることで、弱点を克服し、次のステージが見えてきたようだ。
ひとつの事を続けるという事
昔、とあるミュージシャンが、こんな事を言っていた事を思い出した「出来ない事は、徹底的に自分を追い込んでやるんだよ、そうすると、その時できなくても、忘れた頃にできるようになってる」
この言葉は、すべての人に当てはまる訳ではないと思う。それでも、何かを続けることは大切だ。
何故なら、そこで培われた経験や知識、人脈などは財産となり、きっと人生を豊かにしてくれるだろう。
もちろん、そこで大切なのはモチベーション。彼女の場合は、続けられる理由がある。
「どんな時が楽しいかと言われると…自分が思ったように出来た時、乗れた時」
自分が想像した乗り方、ライン取りが出来た時は、車内で声を上げてしまうほどうれしいようだ。その瞬間は快感そのもので、それが続ける事への理由につながっているという。
「うわー、キタキタって(笑)ヤバイーって叫んでます(笑)そうなんです。できると楽しいから、もっと楽しくなりたい。もっと楽しくなりたいって」