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AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86

ロケバニ、着地、リムツラの圧倒的ビュー!!着地時10mm以下のクリアランスの86!!エアサスのタンクはパイプ組で魅せる!!USDMにおける等身大の解釈とは

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AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86

“若い人達の車離れが進んでると”と耳にする機会が増えたが、“欲している”と“手に入らない”は大きく異なる。もはや、マスな情報に踊らされる必要もないだろう。

MTで自由自在にクルマを操る。自らのIZMを詰め込んだクルマ造りで視線を集める。同じ価値観の仲間とクルマを通してつながる。

こうしたクルマ遊びやそこから受ける刺激は、今も存在しているし誰にもコントロールする事などできない。


AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86

20代の男が造る世界観

HOLYさんは20代にして、高校時代からの憧れだったクルマを新車から造り上げた。ロケバニ、着地、リムツラ。

初見で視界に飛び込んでくるフェンダーとリムを見れば、この姿を実現するのは容易ではない事が分かるはずだ。

AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86

ツラの出し方

着地といえば、スラムドさせて置くスタイルが多いと思うが、この86を見れば、着地では珍しいツライチになっており、フェンダーがリムにタッチしてるかのようで、その間隔は乗車していても10mm以下とまさしく紙一重という状態。

やはりツライチを突き詰めてきた結果なのだろうか?

AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86

AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86
AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86
AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86

「そうですね。ツライチが好みですね。まぁ、実はいじってるうちに変わったってのが経緯なんですけど。元々はアウトリップにして下げて挿したかったんですよ。ポークしたかったんですけど、でもリムがステップリムっていうのもあって、引っ張るとビード落ちとかトラブルにつながったりしてしまうので、そこは割り切ってツラにしました」

こうしたアプローチをオーナーと共に手掛けたのは栃木のSpec. Car life shop。

ある物に対して感想を述べるのは簡単だが、この状態を生み出すのは容易ではない。相当なノウハウとスキルが必要になってくるはずだ。

AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86

AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86
AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86

エアサス

撮影時、停車するとエアーの音と共に地面に着地する86。

エアサスやハイドロと言えば、少し前まで限られた人のみが入れられる特権のような物だったが、昨今変わりつつある。

品質の向上も勿論の事、現場のニーズも増えてきているようだ。

AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86

「やっぱり車高調で1年過ごしてみて、バーフェン組んでる事もあって、ツラが甘いんですよね」

「あれオーバーフェンダーの内側まで全部造ってるんですよ。インナーカバーまで全部造ってあって。で、それのせいで車高調だと下げられなかったんですよ。壊してしまうんで。なのでエアサスにしてそこをクリアしてます」

見えないこだわり

カスタムに対する考え方は人それぞれだが、HOLYさんの場合、クルマを長く乗り続ける事も視野に入れている。オーバーフェンダーを装着するにあたり、わざわざインナーカバーをワンオフするのも、86に対する愛着あればこそだろう。

AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86
フェンダー側の黒いカバーで雨水や砂利が当たる所を保護

「板金屋さんに型を取ってもらって、リベットで内側から留めてもらって。クリアファイルより厚いくらいですかね。やっぱりクルマって長い間乗るんで。オーバーフェンダーにしてる人って内側ドンガラのままの人もいると思うんですけど。ドンガラにしちゃうと、やはり内側の汚れと痛みが日に日にきて、インナーカバーあるのとないのは全然違うんで、最初からインナーカバーは造りたいなっていうのがあって」

こうした、見えないこだわりは自己満足と言われればそれまでだろう。外野からは白い目で見られるかもしれない。だが、少なくとも筆者はそこまでやっているのかと素直に感動するし、尊敬の念すら抱いている。

AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86

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AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86
work meister l1

設定

フェンダーはRocket Bunnyのver.2。
ホイールはWORK MEISTER L1でディスクにはブラッシュド加工を入れている。サイズはフロントが18×10j-32、リアは18×11j-45。これにナンカンのNS-20、フロント215/35-18、リア245/35-18。アームはMEGAN RACINGを中心に構成されている。

エアーはAirLift 3Pを入れているが、何らかの設定に基づいて着地させているのだろうか?

「設定じゃないです、もう全下げです(笑)全下げであそこに来るようにSPECの小林さんに設定してもらって」

AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86

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「なんで、アームはフルアームに近い状態にして、全下げ、着地、ツラって言うのがエアサス入れた時の構想ですね。で、リップ付けたのもそれが理由で。リップつけないと着地した時にギリギリ開くんですよ(笑)なのでリップで稼いで、置いた時に完全に着地するような感じで。意外と反響も良くて」

エアサスと言えど、当然上下する幅があり着地となるとアームロックの問題やアライメントなど様々な要素が絡んでくる。下げた際のエアロの位置、フェンダーとリムのバランスなどは、完成図をイメージしながら物理的問題をクリアしなければいけない。

この86の場合、フロントバンパーが腹下より一番低い箇所になる。

AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86

エアサスの設定という視点から見ると、最近は下げた時にポーク、上げた時にツライチという設定が多いように思うが、置いた時のスタイル全てをかけるのも一つの選択だし面白い。

理由

しかし、着地時のインパクトがもの凄い86だが、そもそもこのスタイルを表現したかった理由や、苦労について聞いてみた。

「ロケバニ組んでる人ってキャンバーつけずに、Sタイヤとかでムッチリさせてやる人もいるんで、そっちの路線もやってるうちにはあったんですけど、そのあたりも相談しながらなんですけど。やっぱり下げるならエアサス入ってますよっていうのを全面に出したいって言うのがあって、キャンバー付けて、落として着地させるって言う所に行き着きました」

AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86

AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86
AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86

「苦労した所…。えーと、タイヤの引っ張り具合は自分で、あとは相談しながらですかね」

「なんならあれタイヤ2回買えてるんですよ。引っ張りが足らなくて。今は245/35なんですけど。最初は265だったんですけど、やっぱり引っ張り足らなくて、225/35に一気に落として。そしたらビード上がんなくて(笑)なんで245になったんですよ。ほんとは235/35があれば欲しいんですけどね。ナンカンで合わせるならこれって感じですけどね」

「脚で魅せる?今は着地っていう所?着地とフェンダーとリムのクリアランスって所を重視しているので、今の仕様で言うとそこが一番魅せたい所です」

HOLYさんは、クルマ造りにしっかりとした予想図とポリシーを持っていて20代とは思えない。そもそもカスタムにおいて年齢を持ち出す行為自体、意味はないのかもしれない。

AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86

AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86

しかし、自分が20代の頃はどうだったのかというと、彼の話す内容は間違いなく刺激的である。

パイプ組

トランク内に設置されたタンクは、中央のエアゲージを中心にハの字のように広がるレイアウトになっており、パイピングの取り回しが面白く本マシンのもう一つの隠れた見せ所になっている。

「タンクもコンプレッサーも1つずつ自分で選んで追加しました。元々エアサス入れる前からこの形が頭の中にあって、それも含めて買いました。機能的には1つでも全然問題ないんですけど」

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エアサスタンクパイプ組
エアサスタンクパイプ組

「施工はSPECさんでやってもらって、デザインは僕が。真ん中のはエアゲージですね、下がコントローラー。固定は下に重いベニアを敷いてあるんですよ。その上にこいつを固定して。ベニアは重量があるんで走っても特にガタツキもないですね」

このベニアにはスエードが貼ってあり、コンプレッサーは貫通ナットでかさ上げして設置。エアサスのタンクは見せる人と隠す人がいるがHOLYさんの場合、完全に造り込んで飾っている。

これはエアサスを購入する前からイメージしていたそうだが、タンクとパイピングのレイアウトを考えるなんて想像しただけでもワクワクしそうだ。

USDMに対する解釈

さて、これまでは足元にフォーカスしてきたが、外装をざっと見てミラー、エンブレム、テールランプ、マーカーなどUS化されているが、その事について聞いてみた。

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AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86

「US意識して造ってるつもりなんですよ。基本的にUSパーツで社外品もできるだけUS物を付けるようにしてて、純正品もどんどん追加していく予定ではあるんですけど」

その他にも給油口のコーションラベル、フューエルキャップ。社外品で言うとInvidiaマフラーにSEIBONのリアディフューザー。

USコンバージョンと言えば、気になるオーナーの解釈だが、20代のオーナーがどのような視点で造っているのだろうか?それとも単なるトレンドとして取り入れてるのだろうか?

「僕の中では、やっぱ86って向こうではFR-Sって名前ですごい売れてるみたいなんですよ。売れてるしけっこういじるんですよね。で、向こうの人が何気なく手を出すメーカー。こっちで言えばアーム類だったらクスコだったり、車高調だったらHKSとか選んだりするのと同じで、向こうの人もたぶん身近にある物に手を出すと思うんで、それを右ハンでやって表現できたらと思ってます。ロケバニは日本物ですけど、けっこう向こうで組んでる人多いですよね」

AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86

HOLYさんのUSDMに対する解釈は、北米における同世代のカスタム好きを意識しているようで、ごく自然な解釈に感じる。USパーツの入手方法も正確だ。

「FRSの部品表をゲットしたんで部品番号を出して、メーカーに問い合わせて買ったりとか。番号をネットで調べて買ったりしてます」

室内

室内を覗くとスパルコのステアリング、フルバケが2脚、US純正バイザー、プッシュスタートボタンパネルLHD化。LikeWiseのシフトノブ、スピンターンノブとUSパーツで構成されている。

AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86

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AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86
AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86

「メーターフードは自分で張替えました。スパルコ入れたのはワイスピが流行ってたのもあって。ワイスピに出てくるクルマってけっこうスパルコ採用してて、向こうの映画でもありますし、向こうの人が見て入れてみようかなって思う部品の一つかなって思って」

チーム

ここ数年、日本のストリートシーンにおけるチームといえば海外チームが目立っている。そんな中#LOWRESSと言えば日本発のチーム。20代が中心となっていてクルマ造りのレベルも高い期待されているチームだ。

HOLYさんも最近#LOWRESSの一員として認められたようだ。チームに参加して何か感じる事などあるのだろうか?

AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86

「僕も参加させてもらって、まだ日が浅いんですけど。LOWRESSってFIRSTCLASSが中心になってるんですけど、カスタム車両を相当手掛けてて、カスタムの幅もすごく広くてそういう面では刺激になってて。次にやる仕様については、チーム内の人の意見ももらったりとか、チームに入る事で次につながりましたね」

もう次の仕様を検討しているのだろうか?

「そうですね、この前ちょうどローンが終わって(笑)クルマもう一台買う事も確かに考えたんですけど。ただ同じ事するなら、これを降りたい訳じゃないんで、これにもうちょっと力入れてみようかなって思って。クルマ一台買えるくらい(笑)」

と、チームに関する事や86に対する想いと次なる展望について語ってくれた。86乗りとして国内で意識している86はいるのだろうか?

AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86

「僕の中では2台くらいいて、アキラさんっていう方で、BRZ顔の86乗っていて、オーバーフェンダーにしてスムージングして、BBSのBSをバブルリップにして履いてる人がいるんですよ。その方はかなりレベル高いなと思うんですよ。あとは、マキノさんって方がいるんですけど、ロケバニのバージョン3のボディキット組んでるんですけど、その人からもかなり刺激をもらって」

嗜む系

「僕はクルマをいじるのがどっちかって言うと好きで。乗るっていう意味ではこいつであんまり遠出したりとかはあまりしてないんですよ。なので、置いて楽しむっていうのが好きで。バイクも好きで機械物が好きなのかもしれないですね」

AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86

HOLYさんは社会人になってから趣味で自動車整備士の免許を取っている。着地スタイルにせよ、次のリメイクにせよ目標を持って自分のやりたい事を達成する覚悟を持っている。それは自分の可能性を広げるという意味で重要な事だ。

つながり

北米野郎、LOWFEST、StanceNation、Fenderistなど様々なイベントに積極的に参加しているそうだが、カーショウに出る上での楽しみ方を聞いてみた。

「造る事に楽しみをおいてて、それの結果発表じゃないですけど、まぁ行って楽しむっていうくらいで。アワード狙いとか、そういうのはあまり目指してなくて、その中でカッコいいクルマができれば満足なんですよ。評価されたいっていう所はあるのでイベントとかには出てるんですけど」

AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86

「僕イベント行くとクルマの近くにほとんどいないんですよ(笑)イベント行って知り合いと交流するっていうのが楽しいですね。ミーティングもそうですけど、もっとこうしたらいいんじゃないのとか、こういういじり方あるよとか意見を聞いたりして」

HOLYさんの話す内容は等身大であり何一つ誇張されていないリアルの物だ。このまま歩み続ければ、色々な人と出会い色々な経験をしていくのだろう。

そして、きっと面白い物を見せてくれるだろう。

クルマは人を乗せるだけの単なる乗り物ではない、時として人と人をつなぐ場所を造ってくれる。

AirLiftエアサス、ロケバニ着地スタイルの86

深夜ミーティングに行って仲間や知り合いとあーだこーだクルマ談義を楽しんで、帰り道のコンビニで温かい缶コーヒーを持ちながら86を眺める。

その一瞬があれば十分だ。

Written by: Maruyama
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