フェンダリストへ向けてのデモカー企画になります。前回はメンテナンス中心でしたが、今回は購入したバンパーのダクトを、埼玉のJ,beatにスムージングしてもらいます。
社外バンパー
デモカー企画着手にあたり、外装は純正にしようかと考えていたが、ホイールの18インチというサイズ、LXZのデザイン。これらを純正バンパーでイメージした時に、バンパーに対してホイールが大きく、バランスが取れない。
回避するには、車高を大幅に下げる必要があるが「都内も走れるカスタムカー」というコンセプトを考えると、大幅な車高下げは難しい。
そこで、社外品の少し大きめなエアロを選択。
ただ、このダクトが筆者の想像するイメージ図から少し外れているので、スムージングをしてもらう事になった。
ダクトの切り取り
この日は、お昼過ぎに埼玉県加須市にあるJ,beatに到着。予め購入して送っておいたバンパーを箱から出してもらう。
まずは、サンダーで切り目を入れてエアソーでカット。
「これはエアソーが暴れちゃって、周りを傷付けてしまうので、サンダーで切込みを入れてから切っていきます」
と、坂本さんに説明をしてもらいながら作業を見守る。
カットが終わると、バンパーの裏側からFRPを貼る為に表側にアルミテープを貼っていく。
テープを貼り終わると、裏側に貼るFRPのマットをカットして、施工部分に合わせて準備。
FRPを貼る
FRPといえば、刷毛やローラーなど人によって使う道具も変わってくるかと思うが、坂本さんの場合、今回のような比較的狭い範囲の部分は、手でやってしまうのが一番との事。
また、樹脂はあまり濃くないほうが密着性が良い。こんな豆知識を教えてもらいながら、FRPが乾くまでの間、バンパーを外してくれた。
J,beatが行うスムージングの日帰りプランだが、料金に脱着工賃は含まれていない。何故なら車によってはバンパーを外すだけで多くの時間がかかるケースもあるからだ。
特に年式の新しい車などは、ビスやボルトの点数の多さもそうだが、作業するにあたり、取付箇所に手が入らないケースもある。
スムージングの日帰りに興味がある方は、予約する際に車種や車の状態を伝えておくと良いだろう。これは作業をお願いするエチケットのような物だ。
表側の下地処理
表側が乾いてきたので、段差がある部分をベルトサンダーで削ってFRPが貼りやすいよう下地処理を行う。
表側には微妙にアールがついており、このアールを自然に表現するのは素人には難しい作業である。
坂本さんの場合、この段階でアールを意識しながらFRPを貼っていくそうだ。
次にFRPの樹脂が垂れないよう養生をして、FRPを貼っていく。
ちなみに、FRPのワンオフ加工は、素材と同じ厚みにするのが加工する上でのコツだそうだ。裏側から見ても、素材の厚みと遜色がないのが分かる。
パテ処理
FRPが乾くとシングルアクションで余分になったFRPを削り、ダブルアクションで表面を整える。
そうすると、巣穴や低い箇所が出てくるので強度のあるファイバーパテを入れて、乾いたら表面を研磨していく。
だんだん表面が均一になり、表面のアールも出てくる。ここは職人技の見せ所と言える場面。不思議なくらい自然なアールが出来ているのが分かる。
ここから再びポリパテで巣穴とペーパー跡を消していく。
この日の気温は高かったが、パテの効果時間は季節によって変わらないのか聞いてみた。
「冬用、夏用、標準とあるので大丈夫ですね。ただFRPに関しては乾燥機は使わないです。曲がる可能性があるので」
もちろん、施工する面積によって硬化時間が変わってくるのは前提だが、季節によって大幅に硬化時間が変わる事はないようだ。
チリ合わせ
FRP製品を購入する場合は必ずと言っていいほど、チリ合わせの作業は必要になってくる。それが良いとされる製品であってもロットによって精度が変わる場合もある。
ただ、チリをどこまで求めるか。そこは人によって異なるので断言できないかもしれない。
チリ合わせは、地味に感じるかもしれないが、知恵とセンスが必要で、素人には難しい作業だ。
FRP製品を購入する場合は必ず時間と費用が発生する事を認識しておくと良いだろう。
今回はオールペン前の簡易的な取付けながらも、どうしてもこのままだと難しい箇所が見つかり、写真のような作業が発生した。
サフ入れ
ポリパテが乾くと、サフェーサーを塗る前の最終仕上げになる。
最終的に手で確認しながら下地処理を行い、サフェーサーを入れる準備をする。
J,beatではサフェーサーの硬化剤を多めに入れているそうだ。これで強度を出すと共に、痩せも防ぐ効果があるとの事。
サフェーサーも色を入れる場合と同じく、一回目は“捨て吹き”を行う。捨て吹きは“はじき”を防ぐ為に有効だそうで、二回目の塗布で厚みが出てくるのが分かる。
サフェーサーが塗り終わり、あれやこれやと話しているうちに、すっかり日が暮れてしまったが、作業自体は数時間で終わった。
スムージングした跡も分からない仕上がりで、表面のアールも完璧になっている。
バンパーを付けて完成
バンパーを交換するにあたり、180sxに1JZを積んでいるトモヤくんに協力してもらい、元々付いていた社外ボンネットから純正ボンネットに交換。フェンダーもこの後、純正フェンダーをベースに加工する為、この状態に無理やり付けてもらった。
バンパーとフェンダーは、メーカー違いの社外品という組み合わせになる為、坂本さんには「純正フェンダーに合うであろうチリ合わせ」という無茶を投げてしまったので申し訳なく思ったが、それでもイメージできる範囲で取付けてくれた。
ダクトがあったとは思えない自然な仕上がりは流石である。
スムージング加工
今回は新品バンパー、施工箇所がダクトのみ、サフェーサーまでという条件が揃い、料金はなんと1万8千円。
サフェーサーは色を塗る上で必ず必要な工程なので、それを考えるとかなりお得。
しかもお昼過ぎに来て、日帰りでバンパーを付けて帰れたので満足この上ない。
J,beatの日帰りスムージングは、スムージングする面積や場所(曲面は要相談)によって値段は変わるが、ボリューム感として今回の作業はひとつの指標となるだろう。
注意点として、新品パーツに関してはサフェーサーを全面に塗ってもらえるが、色がすでに入っている物に関しては、ボカシ作業が必要な為、部分的な塗布になるとの事。
いずれにせよ、スムージングやヒットによるエアロの割れ補修などを日帰りでやってもらえるのはユーザーとしてありがたい限りだ。
掛かった費用
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