シルビアS15specRに乗るSさんは、礼儀正しいごく普通の女性だ。愛くるしい笑顔とは裏腹に、クルマに対する姿勢やマインドは“自分”を持っている。そんな印象だった。
普通の女の子が夜も寝れない体験をした
Sさんのクルマ遊びの始まりは面白い。箱根の峠でグリップするイエローのS13を見て衝撃を受けたそうだ。
「それまでラグジュアリー系のクルマが好きだったんですけど、ビビビってきて、心臓バクバクして、夜も寝れないくらいでした」「それを見た瞬間から、わたし絶対こういうのしたい。グリップしたいってなって。色々調べまくりました」
それから間もなくしてインテグラを購入し、サーキットマシンに仕上げてサーキットを走ることになる。
タイムを削るシビアな世界から、自由奔放に楽しむスタイルへ
サーキットでタイムアタックとなると、やはりシビアな世界である事は言うまでもない。決して楽ではなし、体力的、資金的な問題が出て来る。もちろん、そこに楽しみを見つける人もいれば、そうでない人もいる。
良し悪しの話ではない。何を感じるか、何を求めるかという事だと思う。ほどなくして、彼女が選んだ答えは「楽しみたい」というシンプルな事だった。
「自由気ままに、自分のなんだろ…。守ってる感性とかセンスとか価値観とか、そういうもので、クルマと一緒に人生楽しみたいんですよ」
シルビアが大好き。自分にとっては純正でも十分速い
それからサーキット仕様のシルビアを購入し、できるだけ純正にリセットしてターボ車を堪能しているという。
現在のスペックは、外装がSuperMadeのバンパーに、D-MAXのブリスターフェンダー(25mm)、純正オプションのリアスポ(NISMO)。足回りはトラストの車高調、エンケイのホイール。その他、トラストの前置きインタークーラー、アペックスのエアクリ、中間、マフラーはBLITZのNUR-SPECだ。ちなみに彼女は、簡単な作業はDIYでやってしまうそうだ。
どうして、純正にリセットしたのかは「ターボ車が初めてというのもあるし、これ以上壊したくないし大事にしたい。ずっと乗れるクルマにしたいんです」との事。
これからシルビアはカスタムするの?との問いには「スタンスとかJDMとか見てて楽しいし、綺麗だし。そういうのも影響受けてるんですけど。でも、自分のできる範囲でやっていきたい。これからシルビアの方向性が決まったら、もしかしたら今と違う感じになっちゃうか分からないですけど」