皆さんこんにちは!ラッキーといいます。
カナダのReginaという小さな町の出身です。今回このような機会をいただいたので、僕を含め様々な人々が日本のJDMカルチャーにどのように影響を受けているのか、僕の体験を通じてお話していこうと思います。
まずは今回、少し自分のことを語らせてもらおうと思います。
少年期
8歳のころ、父にHONDA NSXを見せてもらったときのことを鮮明に覚えています。
その頃、僕は車に興味を持ち始めていて、彼の友人が所有していた黒のNSXに乗せてもらったんですが、それが初めて日本のスポーツカーに触れた瞬間でした。
その体験が僕の人生で何を意味するのか、そのときは理解していませんでしたが、強烈な印象として記憶に刻まれています。
青年期
高校生になるころ、映画『Fast and the Furious』(邦題:『ワイルドスピード』)が映画館で上映されました。
僕の周りではその映画や、劇中に出て来る車の話題で大盛り上がりでしたが、僕はというと、いとこに教えてもらった漫画『頭文字D』に衝撃を受けていました。
その漫画で活躍する人物はどこにでもいる普通の人だというところに感銘を受け、練習すれば僕もTakumiやTakahashi兄弟のようになれるのではないかと勇気づけられました。
もっと車に関する漫画が読みたいと思っていた僕は『湾岸ミッドナイト』にハマり、プレステのゲーム『Tokyo Xtreme Racer』(邦題:『首都高バトル』)に夢中になりました。
あまりにもゲームをやりすぎて、地図を見なくともC1のコースが鮮明に頭のなかで再現できるくらいになり、そのうちこの目で本物のC1を見てみたいという夢を抱くようになりました。
古い動画なんかもよく見ました。RE AmemiyaのAmaさんが多くのRX-7を引き連れて、オープンしたばかりの高速を駆け抜ける動画には心を奪われ、数え切れないほど見たものです。そしていつしか、そのようなことを自分でも体験したいと思うようになりました。
ロータリーへの情熱
あるとき、学校の帰りにいつもと違う道を通ると、まるで(頭文字Dの)Ryosukeとおなじような白のRX-7 FCが、誰かの家の前に停まっているのを見かけました。
それから1週間、僕は毎日わざとそこを通っては、その車に見惚れていました。しかしそこでふと、誰もその車を運転している様子がないことに気がつきました。緊張しながらも、僕はその家の玄関を叩き、その車を売りに出す予定がないかきいてみました。その後どうなったかは、言わなくてもわかるかと思います。
海外から車を輸入するには、発売から15年が経過していないといけないという法律がカナダにはあります。
高校を卒業した時、僕は自分へのプレゼントとして黒の RX-7 FD3Sを購入しようと思いました。毎日働いて貯金し、2007年3月、ついに1992年式のRX-7が僕の家にやってきました。
自分でカスタムしたかったので純正状態です。最初にエンジンをかけたとき、モーニング娘。の「ハッピーサマーウェディング」が突然再生されました。今でもその曲を聴くとそのときの感動が蘇るため、僕のお気に入りの1曲です。
他に車の中に残されているものはないかと探してみると、NARDIの手袋が出てきました。前のオーナーは、自分の中の典型的なレーサーのイメージを具現化したような人物だったみたいです。
大学とその後
日本の文化にとても影響を受けた人生を歩んでいた僕は、大学に入ったら日本語のクラスをどうしても取りたいと思っていたのですが、まさかそのクラスが僕の人生をここまで変えることになるとは思っていませんでした。
そのクラスを受けたおかげで、僕は日本に行く決心をすることができ、日本の人と仲良くなることができました。
初めて大黒に行ったとき、昔よくC1で走っていたという人と出会いました。彼の紫のワイドボディなAE86に乗せてもらったときのことは、一生忘れないと思います。自分が夢にまで見たコースを実際に走り、頭に入ってる全てのコーナーが目の前にどんどん出現していったときの感動は言葉にできません。
大黒に戻って車から降りたときは、もうこれ以上の幸せは人生で得られないんじゃなかと思い、少し悲しくなったのを覚えています。
筑波サーキットでの出来事
2017年は僕にとって重要な年になりました。愛車のRX-7 FD3Sを手に入れてから10周年を記念する年であり(ワオ!)、ロータリーエンジンの50周年でもあったため、その節目を記念しようとRX-7 Dayのために筑波サーキットに足を運びました。
ここでの体験はあまりにも濃厚すぎて、別のときに詳しくお話しようと思いますが、簡潔に言うと、僕はこの日ついに自分の憧れの存在に会うことができたんです。
動画で何回も見たあのAmaさんです。とてつもなく緊張しました。
彼とは、新しく出来た友人を通してお会いすることができました。写真を撮ったあと、僕らはそれぞれRX-7に乗って高速を走りました。夢がまたひとつ叶ったことが信じがたく、現実だと思えませんでした。
最後に
たまには他の国にも旅行に行くべきだと思いながらも、僕は毎回日本に訪れ、毎回新しい友達を作って帰っています。
そして新しい人と出会うたびに、僕は自分の信じることをやり続けるべきだと再確認します。これまで僕を優しく受け入れてくれた日本の方々には心から感謝します。
そして、日本の車カルチャーがどれだけ多くのカナダ人の心を掴んでいるのかを、今後この場で発信していこうと思います。
インスピレーションと夢をありがとう。
そして最後に、StreetChicの一員として、記事を書く機会をくれたMaruyamaさんとスタッフの皆さんに感謝します。