「UKドリフト界のホーム」という謳い文句を掲げるだけあり、Rockingham Motor Speedwayは長年UKの草の根ドリフトシーンの聖地として知られ、毎年ここで多くのドリフトイベントが開催されてきた。
BDC2018決勝戦
BTCC、British SuperbikesやBritish GTシリーズといった有名なイベントの開催地でもあるほどの人気サーキットであったが、残念ながら2018年いっぱいで17年という短い歴史に終止符を打つことになっている。
だからこそ、この名高いサーキットの最後となるドリフト競技が、10月に行われたUKドリフトの最高峰、British Drift Championship 2018の決勝戦だったことは、まさに相応しいとしか言いようがなかった。
たいていのドリフトイベントがそうなのだが、比較的早い時間にイベントがスタート。
INVASION
「INVASION」(訳:侵略)と題された今回の決勝ラウンドには国外からも猛者たちが参戦しており、パドックにはこれまでとは一味違った雰囲気が漂っていた。
まず目に留まったのはMitch LarnerのV8 Onevia(上の写真)。彼はオーストラリアからの出場だった。
他に海外からの参加者で注目株だったのが、Formula Dでの活躍で知られるアイルランド人、「D-Mac」ことDarren McNamara、Enjuku Racingの現在のFormula Dラインナップのひとりであるアメリカ人のKevin Lawrence 、そして普段はIrish Drift Championshipで活躍しているアイルランドのConor ShanahanやPeden Neilsenも来ていた。
Pedenの249SXのドアは透明ポリカーボネート板でスケルトン仕様だ。
優勝争い
大会のこれまでのラウンドをすべて制覇してきたDuane Mckeeverは、優勝候補筆頭だ。
しかし、Driftworksのドライバー、Martin Richardsもあなどれない存在であり、もしDuaneがトップ16入りを果たさなかった場合には、チャンプの称号が彼に渡る可能性が高い。
だが、運はMartinの味方ではなかった。練習走行の終盤にギアボックスが故障してしまうというトラブルが発生。
時間がないため、Driftworksのピットではチームが猛スピードで作業に取り掛かる。電光石火の早業で、彼らは予選が始まるまでの短い間にギアボックスを交換することに成功した。
静寂
予選が始まる直前のスタートライン地点では、皆が息を呑んでしんと静まる瞬間があるが、すぐにその静寂はレースの開始を待つドライバーたちによってかき消された。
複数のSR、RB、JZのエンジン音が鳴り響くなか、ストレートパイプのNASCAR用V8エンジンの個性的な吠えが一際目立っていた。これがDriftworks DW86のコンパクトなAE86ボディに収められているのだから、すごい。
オーストラリアからの刺客
予選の開始を待つオーストラリアからの刺客、Mitch Larner。彼のマシンを彩る緑色は、圭オフィスのS15を彷彿させる。