カスタムカー、チューニングカー総合マガジンのストリートシック

" From the streets of Japan " 
STREETCHIC provides information about car customization and tuning that takes place on the streets of Japan.
VWシロッコR

リアルヨーロピアン仕様、純正ルックの追求カスタムVWシロッコR

STREETCHIC > STORY > EURO > リアルヨーロピアン仕様、純正ルックの追求カスタムVWシロッコR

VWシロッコR
VWのシロッコRレカロは限定100台の限定モデルで、レカロ社のバケットシート、大口径ホイール、マフラーが左右2本出しなどR専用の装備となっている。

普段はオーナーにインタビューをするのだが、今回はチューナーであるrd baseの金本さんにお話を伺った。

純正ルックへのこだわり

純正エアロはそのままにルーフ、ミラーを塗装しホワイトボディから立体的に見える2トーンに変更。

シロッコは元々、グリルやエンブレムといったプラスチック部分は黒なのだが、それらもまたピアノブラックへ再塗装。なぜか?と考えてしまいがちだが、カスタムを追求する人には無粋である。

VWシロッコR

VWシロッコR
「ホイールはオーナーさんが納得いかなくて3回ほど塗り直している」というフレーズから分かるように、人からは気付かれないカスタムが随所に散りばめられている。

特に驚いたのは、リアワイパーが除去されワイパーレスとなっている箇所。通常はこのようなワイパーレスに対してデリートプラグ(ワイパーの取り付け部分の穴を塞ぐ蓋)を使って穴を塞ぐのだが、シロッコのオーナーさんは、ガラスを特注しガラスでその穴を埋めている。

VWシロッコR

室内もまた然りのカスタム

外装もそうだが、室内も同じくこだわりがある。エアコン周り、ルームライト周りのパネル類はすべてピアノブラックに再塗装。

ブースト計の専用パネルも、パネルメーカーのエンブレムを除去しスムージングを行った上で塗装するという徹底ぶり。

VWシロッコR

VWシロッコR
ちなみにピアノブラックとは、塗装の最終仕上げであるクリア塗装を何度も行い、研磨を繰り返すことにより「濡れている」ような状態の塗装の事を言う。

間近で見ると、透明感があり非常に綺麗だ。同じ黒でも色合いにこだわりを持って塗り直す理由もうなづける。

シロッコRにはレカロ社のバケットが設置されているが、バケットの背面もまたボディと同色に塗装されている。

VWシロッコR

VWシロッコR

ツライチへの煮詰め方

ツライチの煮詰め方もすごいものがある。通常ホイールだけでまかなえない出面はスペーサーでコントロールするのだが、スペーサーはなかなか思った通りのサイズがなかったりする。

しかし、このシロッコは旋盤屋でスペーサーを削ってツライチを実現させている。何度も走っては、スペーサーを削ってを繰り返し干渉しないポイントを探ったと言う。

VWシロッコR

前後の爪折りは済ませているものの、この車高と大口径ホイールを考えると、ものすごく手間がかかった作業に思う。

足元をチェック

ホイールはFONDMETALの20インチで、タイヤは235/30。かなりの偏平タイヤである。

フロントのローター、キャリパーはブレンボ(キャリパーは6ポッド)、リアローターはノーマルキャリパーがサイドブレーキの役目をしているのでノーマルキャリパーをオフセットさせて、HHCのビッグローターキットをインストール。

VWシロッコR

ホイールとキャリパーはランボルギーニの純正色に塗り直し、ブレンボロゴを通常のロゴからレーシングブレンボのロゴに変更している。

車高調はKW(カーヴェー)で、シロッコは室内から減衰調整をすることができるが、そのシステムをそのまま活かせるモデルを選択している。(ちなみにWi-fiモデルを買うとスマホから減衰調整できるそうだ)

輸入車はこのKW社の車高調が最も信頼されており、rd baseでも勧めることが多いそうだ。

国産メーカーと違う欧州メーカーの車高調事情

話はそれるが、欧州メーカーの車高調は国内メーカーと比べるとストロークが長い。例えば日本のサーキットの路面状況は平らで綺麗だが、ニュルブルクリンクなどは路面のうねりが多く日本と比べると路面のコンディションが良いとは言えないらしい。

このような事情から、国内メーカーの生産している車高調よりストローク量を確保する必要があるそうだ。しかし日本も路面状況が悪い所がいくらでもあるので、街乗りにはむしろ国産よりも適しているのではないかと素人ながらに考えてしまった。

もうひとつ国内との違いがある。日本では標準になりそうな「全長調整式、フルタップ式」の車高調は欧州では違反らしい。欧州メーカーでは推奨の車高をアナウンスしており、それに合わせるのが多いとの事。

トルクフルな2Lシングルタービン

取材時はMcchip-DKR(マックチップ)のコンピューター書き換え(ステージ1の状態)で、これからエキゾーストダウンパイプ(mcpipe)の交換とコンピューター書き換えのセットでステージ2へ仕様変更する所だと言う(ステージ1では320馬力ほど出ている)。

ダウンパイプは日本車で言うところのフロントパイプにあたる。ステージ2の上にはステージ3があり、こちらはタービン交換とコンピューターの書き換えになる。

VWシロッコR

インタークーラーは純正よりサイズが大きいWAGNER TUNING(ワグナーチューニング)、ブローオフはFORGEMOTORSPORT(フォージモータースポーツ)、マフラーはAKRAPOVIC(アクラポヴィッチ)の左右2本出し。

チューナーとの車造り

rd baseの金本さんにお客さんとの車造りの秘訣を聞いてみた。「自分の趣味を押し付けないこと。お客さんの趣味が分かるから、自分だったらこうだけど、お客さんはこうだろうなって考えるんです。」

VWシロッコR

もちろん、お客さんにとって不利益になることはアドバイスするが、お客さんの目線を大切にしている。

個人的に質問したのだが、「輸入車には国産車オーナーとは違い、輸入車オーナーの「ツボ」があり海外メーカーの部品が良しとされているみたいですが、国産パーツはNGなんですか?」
との問いに「昔は海外パーツがある種ステータスなところもあったけど、今はそんな事ないですよ!国産もありです」との事。

輸入車のカスタム状況も時代を経て変化している。

派手なカスタムが全てじゃない

これまでの紹介通り、オーナーさんは非常に強いこだわりを持ってカスタムを楽しんでいる。

VWシロッコR

「テールレンズも変わっているんですよ、本国仕様、VWのスモークテール。若干スモークかかっている。純正は普通の赤なんです。」

過剰なアピールや「社外品つけました」と分かりやすいスタイリングがカスタムの全てではない事を再認識できる車両と言える。

仕事、駐車場、近隣の住民への配慮など様々な理由で「カスタムをしたくてもできない」という方は、ぜひ参考にしていただきたい。

この車両に関するデータ
コンピューター:Mcchip-DKR(マックチップ)書き換え
足回り:KW(カーヴェー)の車高調
ホイール:FONDMETAL、20インチの通し
ブレーキ(F):キャリパーbrembo(6ポッド)、ローターbrembo
ブレーキ(R):HHCのビッグローターキット
タイヤ:235/30/20の通し
吸排気:マフラー、AKRAPOVIC(アクラポヴィッチ)
その他:WAGNER TUNING(ワグナーチューニング)インタークーラー、FORGEMOTORSPORT(フォージモータースポーツ)ブローオフバルブ
Written by: Maruyama
この記事のMedia crew
Photographer Tomotasu
Photographer Shu
Photographer hpg
Photographer Zaru
Videographer Lowermotion
Photographer seriole.oncle.focus
Photographer 510
カメラマンのyuta
Photographer Yuta
カメラマンのDai
Photographer Dai
Photographer Stew
カメラマンのlucky
Photographer Lucky
Total
0
Shares