正直なところ、クルマ好きにとって、これ以上の幸せはないのではないかと思うくらい、喜びを分けてもらった取材になった。
無論、幸せの形は人それぞれだが、好きなクルマが揃っていて、ガレージがあり、家があり、家族がいる。
このご時世に、実現するのは容易ではないはずだ。
スタイル
都内から2時間ほど走っただろうか。オーナーとの待ち合わせ場所についた。
みれちょママさんとは以前もお会いした事があったので、挨拶もほどほどに、改めてマシンを見渡したが「86ってこんなに大きかったかな」と感じた。
「行っても富士山くらい」と、関東の置きイベントではご存知の方もいるかと思うが、基本的には遠征をしないので、関東以外の方は、この86のスタイルは新鮮かと思う。
また、みれちょママさんはTattoo好きで、マシンと共に、そのスタイルもかっこいい女性。
夢のマイホーム
軽く雑談を交わした後、ご自宅に伺う事になった。
噂には聞いていたが、どんなご自宅なのか。天気の良さも相まってカメラマンと共に気持ちが高ぶっていた。
自宅とガレージの間には、広々とした空間があり、開放的なスペースになっている。子どもたちが駆け回り、愛犬が挨拶をしてくれる。
置かれている車両は、10台くらいあるだろうか。
ガレージには、みれちょママさんの86とロードスター、旦那さんのスカイライン、インテグラ、BMWが収まる。
ご夫婦揃ってクルマ好きのようだ。
ドリ車から置き車まで
「家は安くてもいいんで、車庫は建てたいっていうのがあって。車庫もなるべく安いの選んで。オリジナルではないですけど、普通の既製品の車庫を並べて」
と、旦那さんが自宅について話してくれた。
それにしても、幅広いというか、グリップ、ドリフト、スタンス、ユーロといった車両が揃っている。
「ロードスターは、去年たまたま安く手に入ったんですけど、嫁がすぐ欲しがる(笑)これだけ(86)はお金かかってますけど、他はかかってないですね。スカイラインはドリフトしてて、今は車検切っちゃって。インテグラは個人的な(笑)自分が欲しかっただけです。クルマは好きですね」
話しの通り、それぞれに良さがあり、垣根なく楽しんでいるようだ。みれちょママさんもお買い物には、ロードスターで出かけたりしている。
AIMGAINのエアロ
さて、86の概要についてだが、外装から紹介したい。
まずは何といっても、AIMGAINのパーフェクトボディーキット。86といえば、90年代の車両と異なり、元々のフォルムが完成されている為、純正のイメージを変えるのが難しいが、本エアロキットは大幅なワイド化で、車格が上がったように錯覚してしまう製品だ。
「最初はカマロ買おうとしてたんですよ。でも、この人が86のカタログ持ってきて、これ買ったらって言われて。結局86にしたんですけど、最初はバンブルビーってあるじゃないですか、トランスフォーマーの(笑)あれが欲しかったんですよ、黄色でね」
みれちょママさんとの会話から連想するに、何となくこのエアロを選択した理由も分かったような気がする。しかし、根底には“他人とかぶるのが嫌”という想いもあるようだ。それについては、旦那さんもこう話していた。
「貼り付けだと、だいたいロケットバニーが多いですよね。これは、なるべく純正っぽくシンプルに、ビス留めはちょっとしないほうがいいかなというのはありましたね」
「エイムゲインのエアロはバージョンがありますね、最初のやつだからタイプ1ですね。出幅は、前50mm、後80mm。元々3ナンバーなので、十分幅はあったんですけど。だから余計にありますね(笑)」
このパーフェクトボディキットは、リアのディフューザーにテールランプもセットされており、造りもしっかりしている印象だ。これから貼り付けのエアロを考えている人は、チェックしてみてはいかがだろう。
EMOTION
オールペンは行きつけの板金屋さんで頼んだそうで“緑のパールが入った、スカイブルー”のオリジナルカラーとの事。
リアのディフューザーは、ムーブの純正色の紫を入れている。
「この色って、いないじゃないですか?86で。本当は暗いブルーだったんですけど、目立たないから、目立つ色に塗っちゃったんですよね!」
色の選択は、お気に入りの様子だった。
ホイールは、WORKのEMOTION、T7R-2Pで、F:11j-19、R:11.5j-26の18インチ。タイヤは225/40r18。ナットはその形状が気に入っているというNRG。
ワイド化されたフェンダーに、深リムとご馳走な組み合わせだ。
「18インチのMAXサイズなんですよ、20インチとかいけば、もっと深いのあるんですけど。で、後はツラにするのに足りないから、スペーサー30mm。フロントは入るからいいんですけど、リアは内側に入っちゃうからスペーサー入れてます」
「マイスターと悩んでたんでしょ?たしか。やっぱり、サイズがサイズで、5穴のPCD100で、あまり選択肢がなくて、WORKかアメ鍛か、あとはSSRかって感じで」
夫婦でホイール選びというのも楽しそうだ。
足回り、吸排気
車高調は、326パワーのチャクリキダンパー。アーム関連はz.s.s、メーガンレーシングのロアアームとトレーリングロッド。
「キャンバーは、この前測ってフロント10°、リア7°くらい」
エンジン関係はこれから手を入れていくらしく、BLITZのエアクリ、サクションキット、レッグスポーツ中間マフラー、ワンオフデュアルマフラーと吸排気を抑えている。
室内
「ピンクって、普通は可愛くなっちゃうんですけど、ピンクでかっこいいを目指してます」
室内は、ピンクのアルカンターラと、デコレーションでコーディネートされており、DIYにしたそうだ。「汚いので、あまり見ないで」との事だが、不器用な筆者にはうらやましい限りである。
また、ウインドウに貼られたターコイズブルーのフィルムも、主張しすぎず全体的なマッチングが良い。
きっかけ
みれちょママさんは元々、ドリフトをしていたらしいが、どうして置き車を造るようになったのだろうか。
「最初はシルビアに乗ってたんです。高校2年の時にS15。サーキット用にですよ。で、クルマ関連の学校に進学するためにハチロクを買って、その後からカスタムするようになって」
「最初はドリフトしてたんです、はい。で、子供ができて、乗れないわけじゃないですか。だから、こういう感じにしちゃった(笑)」
夫婦揃ってクルマ好きというお互いの理解があるからこそと思うが、どんな時もクルマ遊びを楽しんでいるようだ。
86に関しては「乗ってて楽しい。カーブも。それ相応に動いてくれるので好き」と、今後はドリフトにシフトしていくそうだ。
活動
昨年までは関東圏のイベントにエントリーしていたようだが、どういったイベントが多かったのだろうか?
「スタンス系かな。US系にも興味もってるんですけど、これじゃUSにならないし。やるとしたらロードスターなんですけどね」
ご家族という事で、ミーティングに行くことはないが、知り合いがエントリーするイベントに参加して、その日を楽しむのが一つのライフスタイルになっているようだ。
中には「寒いしか印象に残ってないイベントもあります(笑)」と話してくれたが、一番楽しいイベントはどんなイベントだったのだろうか?
「ホットスプリングスってWORKだけのイベントがあって、それが面白かった。仲良くしてるご夫婦とか、主催者さんと交流ができて楽しかった。あと、アワード取れたっていうのもあるし。エモーション部門っていうので、会場にいたエモーションを履いてる人たちの中で一番、投票が多かったみたいで!」
クルマ遊びのあり方
クルマ遊びに関しては、実に様々な形があると思う。みれちょママさんを見ていると、“結婚したから”、“子供ができたから”とクルマを降りる人もいる中で、夫婦で協力して趣味を楽しむ事の大切さを感じる。
何故なら、クルマについて話してる二人の姿が、とても楽しそうだったから。
きっとこの先も、お子さんを連れたお二人と、サーキットやイベント会場でお会いする事もあるだろう。
「そうですね、クルマはずっとやめないでしょうね。一緒に走ったりするのも楽しいですしね」