カスタムカー、チューニングカー総合マガジンのストリートシック

" From the streets of Japan " 
STREETCHIC provides information about car customization and tuning that takes place on the streets of Japan.
シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ

シェイブドベイ、ワイヤータック、エンジン・内装スワップ!!USDM仕様のEK4シビックフェリオがまるで別物!!

STREETCHIC > STORY > USDM > シェイブドベイ、ワイヤータック、エンジン・内装スワップ!!USDM仕様のEK4シビックフェリオがまるで別物!!

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ
USDMの深さを再認識する機会になった。ベース車両はEK4のシビックフェリオだが、その内容を知るとまるで別物になっている。

シェイブドベイ、ワイヤータック、エンジン・内装スワップ、輸入パーツなど概要だけ聞いても、カスタム好きにはたまらないだろう。加えてプライベーター車両という事で、オーナーのOさんから、本マシンと北米仕様についてレクチャーしてもらった。

プライベーター

冬の厳しい寒さを迎える時期に、取材は深夜から始まった。

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ
一見するとローダウンした大人なフェリオ。しかし、分かる人が見れば分かるというUSDMの愉しみ方が詰め込まれたマシン。現在の仕様になるまでに、どのくらいの期間がかかったのだろうか?

「けっこう何回かやり直してるんで…4年くらいですかね。でも、ノーマルの状態からこのくらいまでだと1ヶ月くらいあればできますね」

と淡々と語る。Oさんのように、千葉にはまだまだ知られていないプライベーターがいるらしい。今後は彼らをDIGっていきたいものだ。

外装

それでは、外装からOさんにレクチャーしてもらおう。まずは、ボディカラーから。

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ
「ベネチュアンレッドって言って、ロックペイントの原色みたいな。それをそのまま塗った。茶色にしたかったんですけど、色見本で見たら茶色に見えたんで。実際に塗ったら、赤みたいなオレンジみたいな。日の当たり方とかによって違いますね」

USDMの美学には北米仕様に見せる、あるいは近づけるといったコンセプトがあるかと思うが、その点について国産との違いを交えて説明してもらった。

「まず、USになると、フェンダーにマーカーがないんですよ。日本だとマーカーが付いてるんですけど。あと、ライトもUS規格になってて、USになるとリフレクターが付いてて、ポジション球も無くなって。これは、ウインカーポジションでW球になってます。ウインカーが消えて付くじゃなくて、光の増減になるんですよ」

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ
「あとはミラー。これはUSのミラーですね。で、アンテナが右から左に変わってる。左汎用のアンテナです」

言われないと全く気が付かないが、アンテナを助手席側に移設して、元々ついていた所は埋めてスムージングしている。

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ

バンパー

USDMに詳しい方なら、これだけでは無いことが分かると思うが、さらに掘り下げて説明してもらう。

「フロントバンパーは、日本だと、本当はコーナー部分に髭(モール)があるんですけど、北米だと無いんですよ。リアもなんですけど、これは前オーナーの時のバンパーなんで、たぶんUSだって話しなんですけど、実際はどうなのか分からないです。USDM仕様を買ってきて、自分で手を加えてきたんで。あとはテールランプもですね、これもリフレクターが入ってます」

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ
「ドアモールですけど、これは厚みが違ってて、日本だともっと薄いんすね。色も樹脂色の物もあれば、ボディ色になってるのもあって。それはグレードによって違うんですけど、これは輸入して、色塗ってます」

残るサイドステップは純正、フロントバンパーのリップはアメリカから取り寄せたらしい。

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ

輸入について

USDM仕様となると、現地パーツが必要になってくるとは思うが、すべて海外から輸入するのだろうか?

「バンパーとか、髭なしはEK9だと髭がないんですよ。なので、バンパーはそれで流用したり。あとは、本当に輸入したりですね」

輸入について、費用的には送料がネックになってくるらしいが、フロントバンパーのリップに関しては、国産とさほど変わらなかったらしい。

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ

「直接ebayで買って、これで2万くらい。物によるんですけど、送料が高いんですよ。でも日本で買ってもあんまり変わんないです。物が良いんで、あっちの物がいいんから、わざわざ輸入してって感じで。送料は1万くらいしますね。重さとかじゃなくて、これを箱に入れた時のサイズで取られちゃうんで」

シェイブドベイ

さて、本車両の見所となるエンジンルームだが、何がどうなっているのかを一つ一つ解剖してみたい。

配線のカプラーを止めるサービスホールが埋められたシェイブドベイだが、着手するにあたり、エンジンの振動や走行による振動から、綺麗な表面を守る対策として、下地にFRPを貼っているそうだ。

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ
「これは、エンジンルーム内一面にFRP貼ってあって、表面はパテで整形してます。パテだけだと、衝撃でやっぱり割れちゃうんですよ、FRPかましておけば、衝撃が広がるじゃないですけど、そういう対策で」

シェイブドベイについては、角ばっている形状から、丸いなめらかな形状、真っ平ら、盛り上げているなど造り手の好みによって変わる。そこがシェイブドベイの見所の一つだろう。

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ

エンジンスワップ

エンジンは、DC2インテグラの1800ccエンジンをスワップしている。本人いわく、「コンピューターとか年式が合っていれば、だいたいいけますね」と比較的、楽に載せ替えはできたようだ。載っかっているエンジンはノーマルで、チューニングはされていない。

「やりたいんですけど、普通に乗りたいんで難しい所ですね」

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ
USDMではノーマルが良しとされているのだろうか?

「いや、やってる人はやってますね。ターボにしてる人もいれば、キラーカムっていって、本当にレース用のカム入れて、アイドリングしない人とかもいるんで、完全にショウカー専用みたいな人もいますね」

ワイヤータック

「ハーネス自体は純正をほぐして、まとめて。ボディに穴をあけて通して。バッテリーはトランクにいますね」

残った配線は編組チューブでまとめて、配線という存在をエンジンルームから消している。

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ
終始、淡々と話すOさんだが、ワイヤータックにしても大変な作業である事は間違いない。同じくパイプフレームを造ったのHさんも彼のカスタムに影響されて、エンジンルームの造り込みを始めた経緯がある。

彼はこの状態で、満足いかない箇所も多々あるそうで、第三者から見ると十分すぎると思うが、理想の追求に終わりはないのかもしれない。

装飾

エンジンルームはゴールドで塗装され、輸入品を使う事を前提として、パーツ自体の色も可能な限りゴールドで統一している。

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ
シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ
例えば、ワッシャーはすべてNRGを使用。同じくラジエターキャップもNRG。VTECのソレノイドのカバーはBLOX RACING。日本では見かけないゴールドのエアクリも海外の無名品と徹底している。

パーツ詳細

その他、エンジンルーム内のポイントとなるところを以下にまとめてみた。

■バルクヘッド
バルクヘッドは穴埋めしてスムージング加工されている。

「ブレーキ配管があったりとか、エアコンの穴も大きく開いてて、あと配線とかプレスもあったんで、それも埋めて。こういうのやる時、イベント前とかでやっつけでやっちゃうんですよ。だから見えない所は雑になっちゃう感じなんですけど(笑)」

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ

■カムプーリー
「VMSってとこの、進角・遅角が調整できるプーリーですね」
エンジンの事を考えると、現在のむき出しの状態ではゴミの進入など、走行できる状態とは言えないが、見た目のパフォーマンスは素晴らしい。ここの見せ方も人によって異なり、カーショウなどでチェックすると面白いかもしれない。

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ

■クラッチマスター
「これはS2000の流用で、シビック純正だとリザーブタンクが別体なんですよ。それだと邪魔になっちゃうんで、S2000用だと一体になってるんで。アメリカのBLOX RACINGっていうメーカーからスペーサーが出てて、それ使うと普通に付くんですよ」

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ

■エンジンマウント
「これも輸入したんですけど、無名のエンジンマウントですね。あっちの安い社外みたいな。パスポートって有名なメーカーあるんですけど、ポリッシュしたアルミのやつしかなくて。ゴールドがなくて、ゴールドがよかったんで」

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ

■メンバー
エンジンルームから、わずかに見えるメンバーだが、これもスムージングして塗装しているというから驚きだ。

「パワステの取付けステーの穴も全部埋めてスムージングして、色を塗った感じですね(笑)」

■アッパー部分の穴
デザインの為に開けたのかと思ったが、穴を除くとキャンバーの調整ができるようになっているのが分かった。車高調はBuddy Clubでアッパーを変更している。

この穴に関しても「一応ネジを切ってあるのでカバーを付けることも可能」とディティールの細かさも忘れていない。

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ

その他、SICKSPEEDのオイルキャップ、メーカー不明ラジエター、エキマニをはじめ、オルタネーターを見えなくする為に、黒く塗装していたり、インジェクターの配線の取り回しを変更していたり、ヘッドカバーの塗装など、ノーマルと比較すると、細部まで手が入ったエンジンルームになっている。

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ
シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ

内装スワップ

彼のこだわりは、室内にも及ぶ。説明してもらいはじめて気がついたが、HONDAのドマーニの内装を移植して、国産の設定にないベージュ仕様(北米仕様)にしている。

「色がベージュなんですけど、これ純正じゃなくて。北米だとベージュあるんですけど、日本のフェリオでないんですよ。で、他のOEMの車種(ドマーニ)で、ベージュがあるんで流用して」

「ちゃんと合いますね。顔とお尻が違うだけなんで。そうですねポンと移植して。ずっと探してて、たまたま事故車が出てきたんで、移植しました」

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ

ホイール

「アメリカンレーシングのAR62、アウトローⅡです。これを自分で塗って、ピアスボルトも打ち替えて。打ち替えるってかダミーのピアスボルトなんですけど。ワンピースですね。サイズは8j-0で、キャリパーに当たっちゃうんで、ホイールの内側とブレーキ側も旋盤で削ってもらってみたいな。見えないんですけど、内側のエッジにあたるところを斜めに削ってもらって。」

「元は削りだしのままで履いてたんですけど、錆びてきちゃって。向こうの安いホイールって造り悪いのもあって、塗装がしっかりしてなくて錆びてきちゃうんですよ。で、一回磨いたんですけど、面倒くさくなっちゃって塗りました」

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ

欧州車では、最近アメ鍛を履く人が増えてきているが、安価なホイールはまだまだ未知の領域なようだ。ちなみにタイヤに関しては、F165/50/16、R195/45/16。フロントは引っ張って見えるが、リアはリムが出るくらいに調整している。

また、ホイールナットはエンジンルームでも使用されていた、SICKSPEEDのスパイクのホイールナット。

純正が良しとされる?

ホイールに続き、フェンダーの話しになって気になるキーワードが出てきた。

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ

「リアは折ってるだけで。出す為に叩いてるとかではないです。フロントは、ホイールを加工する前にどうしても入らなかったので、15mmくらい出てますね。でも、今は引っ込んでるんで、それも純正に戻す予定ですね」

どうやら、叩き出しによってフェンダーの耳がなくなってしまったのがネックになっているようで純正に戻すらしい。

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ
難しい質問なのかもしれないが、USDMなクルマ造りは“純正を良し”とするのだろうか?特に外装に関しては、そういった印象を持っているのだが。

「何て言うんですかね、やっぱ綺麗に造るってなったら、たぶん純正の形状を残したままの方が、カッコいいのかなというのがあるかも知れないですね。でも純正じゃなきゃいけないとかないと思うんですけど、けっこうタブーになってるかもしれないですね。フェンダーいじっちゃうとかは」

カスタムのきっかけ

先輩であるTさんの、インテグラTYPE-Rの影響もあり、かねてからVTECに興味をもっていたが、本来はシルビアを買おうとしていたそうだ。

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ
「地元の集まりがよくあって、そこで先輩がこういうのやってて、あぁこういうのもあるんだと思ってて。本当はドリフトとかやりたかったんですけど。走るのも好きで。で、シルビアを買おうと思ってて現車確認行ったその日に、地元の集まり行ったら、ホンダ車が集まってて。そしたら安いのあるよって言われて。で、出てきたのがこのクルマで。エンジンルームとかもノーマルだったんですけど、自分でもやってみようと思って」

USDMの愉しみ方

最後にOさんにUSDMの愉しみ方について聞いてみた。

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ
「どんだけあっちに寄せられるかみたいな。これまだやってないんですけど、室内のスイッチとかも逆になってる人もいますし。本当にパッと見は純正なんですけど、全部USになっててとか。けっこう街中走ってても、プリウスとかでいたりするんで、そういうのが面白くて」

完全に純正ライクに仕上げられているUSDM仕様車に関しては、一般人には判断しにくいかと思うが、そのあたりはやはり一見して分かるのだろうか?

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ
「そうですね、灯火類とかは分かりやすいんで。やってるなみたいな(笑)」

今回取材を通して、USDMのこだわりと奥深さを再認識したつもりだが、彼の話しからすると、まだまだ奥は深いであろう。カスタムという観点から見れば、ディティールの細かさとクリーンなクルマ造りを心がける意識の高さを感じた。

この仕様に愚問であるが「シートとかバケットは入れないの?」という問いに対して、とても印象的な回答が返ってきた。

シェイブドベイ、ワイヤータック、EK4シビックフェリオ

「何て言うんですかね…前はあっちのアフターパーツ使って、レースカーみたいにしようと思ったんですけど。そういうのもカッコいいんですけど、見て分かる人に見られて、これすごいねって言われたほうが楽しいなって思って」

Written by: Maruyama
この記事のMedia crew
Photographer Tomotasu
Photographer Shu
Photographer hpg
Photographer Zaru
Videographer Lowermotion
Photographer seriole.oncle.focus
Photographer 510
カメラマンのyuta
Photographer Yuta
カメラマンのDai
Photographer Dai
Photographer Stew
カメラマンのlucky
Photographer Lucky
Total
0
Shares

Comments are closed.

You May Also Like